英首相の辞任求める与党議員増える、閣僚は擁護 ロックダウン中の官邸パーティー問題

画像提供, Reuters
新型コロナウイルスの感染対策としてイギリスで厳しいロックダウンが実施されている間、首相官邸など政府庁舎で飲食を伴うパーティーが繰り返し開かれていた問題で、与党・保守党からさらに4人の下院議員が26日、ボリス・ジョンソン首相の辞任を公に求めた。前日には問題に関する政府の最終調査報告書が公表され、首相は「身が引き締まる思いがする」、「責任を負う」などとしつつ、辞任は否定していた。
首相の辞任を求めると新たに表明した保守党議員は、ジョン・バロン、デイヴィッド・シモンズ、スティーヴン・ハモンド、ジュリアン・スターディーの4氏。
ハモンド下院議員は、「擁護しようのないものを擁護できないし、しない」として、保守党は「国民の信頼を回復しなくては前進できない」と述べた。「一般議員としては発言して、(不信任の)手紙を提出するしかできない」と、党内の「1922年委員会」に党首不信任の書状を送ったことを明らかにした。
保守党の決まりで、下院議員54人が党首不信任の書状を党内の「1922年委員会」に送ると、党首選を実施することになっている。不信任の書状を送ったと議員が公表する必要はなく、正確な数は1922年委員会のサー・グレアム・ブレイディー委員長しか知らないが、BBCはこれまでの取材で与党議員18人が送ったことを把握している。

首相と同様、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)推進派として知られるベテラン議員のバロン氏も26日朝、首相の辞任を要求。政府報告書が指摘する「最も深刻な」内容は、官邸でのパーティーについてジョンソン首相が意図して、下院に事実を誤認させたことだと述べた。
「官邸であれだけの規模でルール違反が繰り返されていたのに、首相が知らなかったなど、私は受け入れられない」、「そのため首相が議会で、ルール違反はなかったと繰り返したのは、まったく信用できない」と、バロン議員は述べた。
これについてジョンソン首相は前日の下院審議で、自分は当時本当だと思っていたことを答弁したのだと弁明していた。首相は現在、官邸パーティーに関する答弁をめぐり、議会下院の倫理基準・特権委員会の調査を受けている。政府の閣僚行動規範は、閣僚が意図的に議会に事実を誤認させた場合は、辞表を提出するものと定めている。
保守党のシモンズ議員は、政府報告書に関する首相の発言や、自分の地元選挙区の有権者の意見を踏まえて、首相の辞任を求めることにしたと説明。議員は声明で、「この政府と我が党の政策が、国民の信頼を得ているのは明確だが、首相はその限りではない」と述べた。
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26日に辞任要求を公表した4議員に先立ち、同じ保守党のジョン・スティーヴンソン議員はBBCに対し、自分と同僚議員は今後2、3週間のうちにジョンソン氏の今後について「最終判断」を下すと話した。
スティーヴンソン議員によると、保守党議員たちは「(ジョンソン氏は)変われるのか? 国民の信頼を取り戻せるのか? リーダーとして適任なのか?」と自問自答しているところだという。
25日夜には、スターディー議員が、「新型コロナウイルス対策の規制を無視するという風潮が官邸内にかなり広まっており、(ジョンソン氏は)そのトップにいた」と発言していた。
「謝罪し、行動し、教訓を得た」
他方、首相官邸のスティーヴン・バークリー首席補佐官は、ジョンソン首相が官邸チームの顔ぶれを刷新し「相当の変化」を実践したほか、ロックダウン違反の数々のイベントについて謝罪したと指摘した。
リシ・スーナク財務相はBBCに対して、自分は首相を「100%」信頼しているとして、「彼は謝罪して責任を負っただけでなく、行動して、教訓を得ている」と述べた。ほかの閣僚も、ジョンソン氏をこぞって擁護している。スーナク氏はジョンソン夫妻と同様、一部のパーティーに関連して警察から罰金を科せられている。
他方、最大野党・労働党の影の地域活性化相、リサ・ナンディー氏は、パーティー問題の責任を若手スタッフに押し付けたと批判。BBCに、「自分がやったことを後悔してるわけではなく、自分がつかまったことを後悔してるだけだ」と述べた。
首相は辞任を否定
パーティー問題について内閣の依頼で独自調査を進めた地域活性化・住宅・コミュニティー省のスー・グレイ第二事務次官は、最終報告書の中で、ロックダウン中に首相官邸では、職員が感染対策ルールをたびたび破っていたとした。また、時には早朝まで過剰な飲酒を繰り返したほか、ごみを散らかしたままにしたり、パーティーを制止しようとする警備担当者を笑いものにしたりするなど、清掃や警備の担当者への悪質な態度が散見されたと指摘した。
官邸内のこうした風潮を許した幹部が、「責任を負う必要がある」とグレイ氏は報告書で書いた。
25日の報告書公表を受けてその日に記者会見を開いた首相は、「前に進み続けなくてはならない」として、辞任を否定した。また、報告書の内容はこの日、公表と共に初めて知ったとして、その多くは「初めて知る」ことだったと述べた。記者会見に先立つ下院審議では、「自分が責任者の間に起きた全てのことについて、全面的に責任」を負うと述べていた。
一方でジョンソン氏は、これまで議会答弁などで「ルールやガイドラインは常に守っていた」と言い続けたことについて、「本当だと思っていた」ことを述べていたのだと説明した。議会にうその答弁をしたことはないとしつつ、ルールを常に守っていたという発言は正しくなかったと認めた。











