ロシア、マリウポリで「ウクライナ兵1026人投降」 アメリカは追加軍事支援へ

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ロシア国防省は13日、ロシア軍が包囲したウクライナ南東部の港湾都市マリウポリで、ウクライナ兵1000人以上が投降したと発表した。ウクライナ側はこれを否定している。アメリカのジョー・バイデン大統領はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談し、ウクライナに8億ドル(約1000億円)規模の追加軍事支援を行うと発表した。首都キーウ近郊ブチャでは戦争犯罪に関する捜査が始まった。
ロシア国営テレビは、ウクライナの第36海軍歩兵旅団の兵士1026人が投降する様子だという映像を放送した。
一方でウクライナのアレクセイ・アレストヴィッチ大統領顧問は、同旅団が別の場所にいるアゾフ大隊と合流するためロシア軍の包囲網を突破したと主張した。
マリウポリのセルヒイ・オルロフ副市長はBBCに対し、市内のウクライナ部隊はいまも戦っていると述べた。
ウクライナによると、マリウポリではこれまでに数万人が死亡している。
市内にはロシア軍の支配下にない地域が2つある。そのうちの1つにあるアゾフスタリ製鉄所の周辺で戦闘が続いているとみられる。
主要な港湾都市であるマリウポリは、2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島までの陸路を確保しようとするロシアにとって要衝となっている。
ロシア軍がマリウポリを占拠すれば、この侵攻で主要都市が陥落するのはヘルソンに続いて2つ目となる。
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市内ではロシア軍による壊滅的な攻撃が続き、抵抗するウクライナ軍は弾薬がなくなりつつあると訴えている。
ロイター通信のジャーナリストは13日早く、第36海兵旅団の兵士が数週間にわたり潜伏しているアゾフスタリ製鉄所から炎が上っているのを目撃した。
米国防総省の高官は、マリウポリを標的としたロシア軍の空爆が続いており、同市がロシアに完全に掌握されたとは考えていないと述べた。
マリウポリのヴァディム・ボイチェンコ市長は、これまでに民間人2万1000人が死亡し、10万人が避難を待っているとしている。
ブチャで戦争犯罪捜査が開始

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首都キーウ近郊のブチャでは、ロシア軍が撤退してから少なくとも500人の遺体が見つかっている。
国際刑事裁判所(ICC)の検察官は13日、戦争犯罪に関する捜査を行うためブチャに入った。
ICCのカリム・カーン主任検察官は先に、「犯罪が行われていると信じるに足る、合理的な根拠がある」と記者団に述べていた。
カーン氏は後に、「我々は真実を知るために、戦争の霧を突き破らなければならない」とツイート。ウクライナが「犯罪現場」と化しているとした。

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国連のジェノサイド(集団虐殺)条約では、ジェノサイドがあったと正式に確認された場合、各国が介入することが求められる。
アメリカは歴史的に、ジェノサイドが起きているとして特定の国家を非難することに消極的だった。
しかしジョー・バイデン米大統領は12日、ウクライナ侵攻は「ジェノサイド」だと初めて明言するなど、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領への非難を強めている。
一方で、誰もがバイデン氏のような発言をしているわけではない。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ジェノサイドという言葉を使うことに抵抗を感じるとしている。
アメリカ、8億ドル追加軍事支援

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アメリカのバイデン大統領は13日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談した。
その後、ウクライナに8億ドル(約1000億円)規模の追加軍事支援を行うと発表した。
追加支援には、ウクライナ東部で予想されるロシア軍による「より広範な攻撃」に対抗するための新たな兵器も含まれると、バイデン氏は説明した。
また、バイデン氏が「新しい能力」と称する大砲システムや装甲兵員輸送車(APC)なども含まれる。
米国防総省の高官によると、アメリカによる軍事支援の総額は30億ドルを超える。
バイデン氏は、アメリカがこれまでにウクライナに供与した武器が、ロシアの当初の戦闘目標を確実に失敗させるのに役立っているとしつつ、休んでいる場合ではないと述べた。
「アメリカ国民は勇敢なウクライナの人々と共にあり続けると、ゼレンスキー大統領に約束した」
米国製兵器、ウクライナ軍は「追加訓練」必要か

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追加支援に含まれる米国製兵器には、ウクライナ軍の「追加訓練」が必要になるかもしれないものも含まれる。
国防総省のジョン・カービー報道官は記者団に対し、「ウクライナ軍の追加訓練を必要とするであろうシステムは、りゅう弾砲と(中略)対砲兵レーダーだ」と述べた。
このレーダーシステムは「操作はそれほど難しくないが、ウクライナ軍が保有するシステムとは違う」という。
同省によると、りゅう弾砲18基や砲弾4万発などを追加輸送する。
また、ミサイル数百発や、目標物の攻撃方法から神風ドローンとも呼ばれる「スイッチブレード」無人機、ヘリコプター11機、装甲車数百台、対人地雷、防弾チョッキ、生物化学兵器や放射性物質などから身を守る防護具なども供与するという。
フィンランド、NATO加盟申請「数週間以内に」判断

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フィンランドのサンナ・マリン首相は13日、スウェーデン・ストックホルムで同国のマグダレナ・アンデション首相と会談。その後の共同記者会見で、マリン首相は「数週間以内に」北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を行うかどうかを判断すると述べた。
両国はロシアのウクライナ侵攻を受け、NATO加盟に意欲を示していた。
BBCのジェイムズ・ランデール外交担当編集委員は、ウクライナ侵攻が欧州の安全保障の転換点となったと指摘している。

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ウクライナ安全保障当局トップのイワン・バカノフ氏は13日、前日に逮捕された同国の「野党プラットフォーム・生活党」党首で親ロシア派のヴィクトル・メドヴェチュク氏について、ロシア連邦保安庁がメドヴェチュク氏をモルドヴァへ越境させ、ロシアへ密航させようとしていたと説明。ウクライナの諜報員がこの計画を阻止したとした。
ロシアのプーチン大統領はメドヴェチュク氏と親交が深く、同氏の娘の名付け親でもある。











