新型コロナウイルスの死者数、実際には統計の3倍か=米研究
ミシェル・ロバーツ、保健担当デジタル編集長

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新型コロナウイルスによる死者が、統計の3倍に当たる1800万人超に上っている可能性があることが、最新の研究で明らかになった。
「COVID-19超過死亡研究チーム」は、191の国と地域を対象に、「実際の」死者数を調査した。
対象には、新型ウイルスそのものによる死や、感染関連死も含まれている。感染によって心臓や肺などの既往症が悪化し、死に至るケースがあるからだ。
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研究では、パンデミック前の死者数と比べた際の超過死亡を基準にしている。
また、データ収集には各国の政府統計のほか、WHOの世界の死亡率データベース、人類死亡率データベース、欧州連合(EU)の統計当局ユーロスタットのデータベースなどが用いられた。
超過死亡の数は、国や地域によって大きく違うとみられるが、この調査で計算した結果、世界全体の超過死亡は10万人につき120人だった。
その場合、2020年初頭から2021年の2年間に新型ウイルスでおよそ1820万人が亡くなったことになる。これは、これまでに記録された公式統計590万人の約3倍に当たる。
超過死亡は、調査対象期間の全体の数字だけを計算しており、週ごとや月ごとの数字は見ていない。これは、統計の遅れや、新型ウイルスによる死者の報告方法に一貫性がない場合に、推計が大きくずれる可能性があるためだと、研究チームは強調している。
研究によると、中南米や欧州、サハラ以南アフリカの低所得国で超過死亡が多かった。一方で、高所得国でも、イタリアやアメリカの一部地域などで多くみられた。
超過死亡が最も多かった国・地域は、ボリビア、ブルガリア、エスワティニ、北マケドニア、レソト。最も少なかったのは、アイスランド、オーストラリア、シンガポール、ニュージーランド、台湾だった。
イギリスでは、2020~2021年の新型コロナウイルスによる死者の推計は、政府の公式統計の17万3000人とほぼ同じだった。超過死亡は、10万人につき130人だった。
この研究を主導したワシントン大学保健指標評価研究所のハイドン・ワン博士は「このパンデミックの本当の死者数を知ることが、効果的な公衆衛生政策の決定には不可欠だ」と述べた。
「スウェーデンやオランダなどの研究は、新型ウイルスが超過死亡増加の直接原因になっていると示している。しかし、それ以外のほとんどの地域で今のところ、十分なデータが得られていない」
「今後も研究を進めることで、新型ウイルスによる死者が実際はどれほどなのか、間接的な死はどれくらいあったのかを明らかにできるだろう」
研究チームは、ワクチンや新たな治療方法の確立により、パンデミックによる超過死亡は今後、減少していくとみている。
しかし、パンデミックはまだ終わっておらず、危険な新しい変異株が出現する可能性もあると警告している。





