北京冬季パラリンピックが開幕 「世界は共に生きる場」、平和訴える異例の幕開けに

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北京冬季パラリンピックが4日、開幕した。午後9時から国家体育場(愛称・鳥の巣、収容可能人数・9万1000人)で開かれた開会式には、ロシアが侵攻を続けるウクライナの選手団も参加。国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長がスピーチで平和を強くえるなど、戦時下での開催となった。
北京パラリンピックには46の国・地域の選手約560人が参加する。13日までの10日間、6競技、78種目が実施される。
選手や介助者、スタッフら総勢54人のウクライナ選手団は、ロシア軍による侵攻が続く中、爆撃を逃れて開幕直前に中国・北京にたどり着いた。
選手入場では、ベルギー選手団が最初に入場。続いて日本選手団が登場した。
順番は通例、開催国の言語表記に従うため、今大会は国名を中国語で表記した時に「1文字目の画数が最も少ない順」で入場した。
ウクライナ選手団は4番目に入場。旗手はバイアスロンと距離スキーに出場するマクシム・ヤロヴィー選手(32)が務めた。
パーソンズ会長のスピーチの後に登壇した習近平国家主席が、開会を宣言。無数の花火が打ちあがった。
反戦のスピーチ、中国は検閲か
開会式では、IPCのパーソンズ会長がスピーチで、「世界は共に生きる場であるべきで、分断されてはならない」と語った。
「私は、いま世界で起きていることに強い衝撃を受けています。21世紀は対話と外交の時代であるはずです。戦争と憎しみの時代ではありません」
「オリンピック・パラリンピック期間中の休戦は、国連決議として193の国連加盟国の総意で第76回国連総会で採択されました。それは尊重し守るべきもので、違反があってはなりません」
「スポーツを通して、パラリンピアンたちは人類の最高の姿を示し、平和や皆が共生する世界の基礎となる価値観を際立たせてくれるでしょう」
「パラリンピアンたちは知っています。対戦相手は敵である必要がないことを。共に歩めば、さらにより多くのことを達成できることを」
パーソンズ会長は両拳を握りしめ、「ピース!(平和)」と叫んでスピーチを締めくくった。
開会式を中継していた中国国営中央テレビでは、ウクライナでの戦闘に関するパーソン氏の発言部分の通訳がストップし、音声が消えた。IPCは、中央テレビによる検閲行為があったとみられるとして調査中だとした。
IPC広報責任者のクレイグ・スペンス氏は、「IPCはこの問題を認識しており、これについて調査している。配信に問題はなかった」と述べた。
参加は「奇跡」
ウクライナ・パラリンピック委員会のヴァレリー・スシケヴィッチ会長は開会前日の3日、ウクライナ選手団が大会に参加できるのは「奇跡」だと語った。
「私たちに必要なあらゆる機器、ハードウェア、ユニフォーム、何もかもを、ウクライナ全土で集めなければならなかった」
「すべてのマネージャー、医師、専門家、選手、コーチを連れてきて、どうにかして大会に間に合わせる方法を探さなければならなかった」
「いま、戦いの最前線は2つある。1つはウクライナに、もう1つはここ北京にある」
昨年の東京パラリンピック競泳のウクライナ代表エフヘニー・ボホダイコ選手は、冬季パラリンピックがウクライナの人々の士気を高めてくれることを望んでいると述べた。
「ウクライナ全体の勝利になるだろう」と、ボホダイコ選手はBBCスポーツに語った。
「私たちは、パラリンピック選手が威厳と力を発揮してくれることを期待している」
「そして願わくば、メダルを獲得し、勝利し、ウクライナ国歌が会場に鳴り響き、私たちの支えとなってほしい」
「ウクライナ各地で起きていること、この国ですべての人は団結していることを考えると(中略)自分がウクライナ人であることを非常に誇りに思う」
「変化はスポーツから始まる」
ウクライナの緊急事態当局の発表によると、北部チェルニヒウで4日、ロシア軍による空爆があり、少なくとも47人が死亡した。
IPCのパーソンズ会長はスピーチで、「変化はスポーツから始まる」と選手や関係者へ語った。
「スポーツは調和をもたらし、それがきっかけとなって、人々の生き方、街、そして国をも変えることができます」
「今夜、パラリンピックムーブメントは世界各国の当局者に呼びかけます。アスリートたちと同様に、一つになり、平和、理解、共生を促してください」

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