西側諸国、ロシアのプーチン大統領とラヴロフ外相に制裁 ウクライナ侵攻

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アメリカ、欧州連合(EU)、イギリス、カナダは25日、ウクライナ侵攻をめぐり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とセルゲイ・ラヴロフ外相の資産凍結など、制裁を決定した。西側各国における両者の個人資産は凍結され、アメリカ政府はアメリカへの渡航を禁止した。24日からウクライナ侵攻を開始したロシア軍は25日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)へ向かっている。
国家首脳個人に対するこうした懲罰措置は、きわめて異例。EUによる同様の制裁はこれまで、シリアやベラルーシの大統領に限られていた。アメリカはシリアのバシャール・アル・アサド大統領と、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を、制裁対象にしてきた。
プーチン、ラヴロフ両氏がどの程度の個人資産を米・英・カナダ・EUで保有しているかは不明。この制裁が具体的にどのような影響を持つのかも、明らかではない。
欧州ではブリュッセルでEU外相会談が開かれ、ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相が、プーチン氏とラヴロフ氏には「ウクライナの罪のない人たちの命を奪い、国際社会の仕組みを踏みにじった責任がある」と非難。「欧州人として私たちはそんなことは容認できない」とした。
ロシアは制裁措置について、西側外交がいかに「まったく無能」か示すものだと一蹴した。

SWIFTからの排除は
24日に始まったウクライナ侵攻でロシア軍は25日、首都キーウ(キエフ)へ向かっている。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、キーウ市街地で撮影した動画で、自分たちはここにとどまり国を独立を守ると強調した。
ゼレンスキー氏は欧米諸国に、ロシアへの制裁を強化するよう要求。とりわけ、国際金融決済に使われる国際銀行間通信協会(SWIFT、本部・ベルギー)からロシアを切り離すよう、国際社会に呼びかけている。SWIFTとは、国際銀行間の送金や決済に利用される安全なネットワーク等を提供する非営利法人。
ボリス・ジョンソン英首相も、「プーチン大統領とその政権に最大限の痛みを与えるため」、ロシアをSWIFTから排除すべきだと欧米諸国に呼びかけている。
しかしEUはこれまで、この措置に踏み切っていない。主に、自国経済への打撃を懸念するドイツやイタリアが反対しているとみられている。ドイツとイタリアは、ロシアの石油・天然ガスへの依存度が高い。
フランスのブルーノ・ルメール財務相は、ロシアをSWIFTから切り離すことは選択肢として残るものの、それは「金融上の核のオプション」で最終手段だと指摘した。
EUの追加制裁はロシアの政府幹部や有力者も対象にしており、外交官の渡航も制限した。
イギリスはロシアの航空会社アエロフロートの乗り入れを禁止。これに対抗してロシアは、ブリティッシュエアウェイズなどイギリスの航空各社による乗り入れや上空飛行を禁止した。
安保理ではロシアが拒否権
ロシアはこの後、国連の安全保障理事会に提出されたウクライナ侵攻非難決議案に拒否権を発動した。安保理常任理事国で拒否権をもつロシアは現在、安保理議長国でもある。
安保理では、中国、インド、アラブ首長国連邦(UAE)が、ロシアを非難する決議案の採決で棄権。他の理事国11カ国は非難に賛成した。
ロシアの拒否権で非難決議案が未採択で終わった後、アメリカのリンダ・トマス=グリーンフィールド国連大使は会見し、「ロシアは今日、私たちの強力な言葉に拒否権を行使し、自分たちの権限を乱用した。しかしロシアは、私たちの言葉に拒否権を使うことはできない」と力説した。
「現状の侵略者はプーチン大統領です。妥協点などありません」と、大使は述べた。











