オーストリア、ワクチン未接種者を対象にロックダウン

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オーストリアで新型コロナウイルスの感染が急拡大している。政府は14日、ワクチン接種を完了していない約200万人を対象に、ロックダウンを実施すると発表した。
オーストリアは、感染率(7日間平均)が10万人あたり800人を超えており、ヨーロッパで最も高いレベルとなっている。病院の負担も高まっている。
一方、ワクチン接種完了率は国民の約65%にとどまり、西欧諸国で最も低い。
今回のロックダウンでは、ワクチンを接種していない人の外出を、仕事や食料品の買い物などに限定する。期間は15日から10日間の予定。
12歳未満の子どもと、新型ウイルスに感染して最近回復した人は対象外となる。
アレクサンダー・シャレンベルク首相は、「今回の対策を軽々に取っているわけではない。残念ながら必要に迫られてのことだ」と述べた。
警察が抜き打ちで確認
オーストリアでは以前から、ワクチン接種を終えていない人は、レストランや美容院、映画館に行くことが禁じられてきた。今回の措置で、すべての外出が禁止されることになる。
シャレンベルク首相は、「事実上、国民の3分の1に告げる。特定の目的以外で(家から)出てはいけない」と述べた。
「ワクチンを接種済みの人と未接種の人の交流を大きく減らす」
オーストリア政府によると、人々のワクチン接種状態を確認するため、公共の場所で警察が抜き打ち確認を実施する。
こうした措置に対しては、憲法違反の可能性があるとの批判も上がっている。極右の自由党は、二等市民を生み出すと主張している。
先週末には、首都ウィーンの首相官邸前の抗議デモに数百人が集結。「自分の体のことは自分で決める自由がある」と記した横断幕を掲げるなどした。
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欧州各国の状況
ヨーロッパではこのところ、またもパンデミックの影響が深刻化している。各種の制限を導入し、感染拡大を警告する国も出ている。
イギリスは感染率が非常に高いが、制限はまだ再導入していない。保健専門家らは、冬季の危機を回避するためには、混雑した場所や密閉空間でのマスク着用義務などのルールを復活させるべきだとしている。
オーストリアの隣国ドイツでは、イエンス・シュパーン保健相が、ワクチン未接種者の間でパンデミックが起きていると警告。連邦政府と各州の指導者らは今週、新たな制限措置について検討する。
ドイツのワクチン接種率は67.3%で、オーストリアより高いが、差はわずかだ。ドイツはオーストリアを高リスク地域に指定。同国からの入国者には隔離を義務付けている。
一方、オランダは感染の急拡大を受け、「ロックダウン・ライト」を導入。レストランや商店の閉店時間を早め、スポーツ観戦を禁止するなど、社会的交流を制限している。
オランダでは成人の約84%がワクチン接種を完了している。国内の入院患者の大半は未接種者となっている。
他の国もさまざまな制限
東欧には、ワクチン接種率がかなり低い国もある。
ラトヴィアは接種完了率が国民の59%にとどまっており、先月、ロックダウンを再実施した。接種を拒む議員に対しては、法案をめぐる投票や議論への参加を来年中頃まで禁止。給与の支払いも留保する。
ロシアで接種を完了しているのは、国民のわずか35%ほどだ(アワ・ワールド・イン・データ調べ)。政府は流行を抑えるため、10月末に商店、レストラン、学校を部分的に閉鎖。労働者は9日間の有給休暇が与えられた。
その他の国々では、ワクチン未接種者のみを対象とした措置を導入する動きがみられる。
オーストラリア・クイーンズランド州は来月17日以降、未接種者がレストランやパブ、スポーツ大会に行くのを禁止する。
シンガポールは、自らの意思でワクチン接種を受けていない人に対し、来月以降は医療費の自費負担を求めるとしている。









