フェイスブックは「子供に害を及ぼし、民主主義を弱める」 元従業員が米議会で証言

Frances Haugen addressing a Senate hearing on internet safety, 5 October 2021

画像提供, Getty Images

画像説明, フェイスブックはユーザーの安全よりも利益を繰り返し優先していたと証言した、元従業員のフランシス・ハウゲン氏(5日、米ワシントン)

米フェイスブックの元従業員が5日、米上院の公聴会で証言し、同社が「子供たちに害を及ぼし、分断を助長し、民主主義を弱体化させている」と訴えた。この元従業員は、同社の内部資料を米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに提供し、告発していた。

フェイスブックの元プロダクト・マネージャーで内部告発者のフランシス・ハウゲン氏(37)は、米連邦議会で行われたインターネットの安全性に関する公聴会で、同社を激しく批判した。

ハウゲン氏は、「フェイスブックの指導陣はフェイスブックとインスタグラムをより安全にする方法を知っているにもかかわらず、必要な変更をしようとしない。人々よりも天文学的な利益を優先させているからだ」と述べた。

また、同社創業者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏の支配が広範囲に及んでいると批判。「マークに責任を取らせることができる人は、彼以外にはいない」と述べた。

大規模な障害を称賛

ハウゲン氏は公聴会で、世界中のユーザーに影響を与えた、フェイスブック・サービスの大規模な停止を称賛。

「昨日(4日)、フェイスブックがインターネットから消えた」、「なぜダウンしたのかはわからないが、分断を深め、民主主義を不安定にし、若い女の子や女性に自分の体について嫌な思いをさせるためにフェイスブックが利用されなかったことは確かだ」と述べた。

さらに、議会による監視が解決策だとし、「私たちは今すぐ行動しなければならない」と述べた。

フェイスブック側は、ハウゲン氏が語った内容は同氏が全く知識を持っていない分野だとしている。

内部文書をメディアに提供

ハウゲン氏は3日、米CBSに対し、過去数週間にフェイスブックの多数の内部文書をウォール・ストリート・ジャーナルに提供したことを明らかにした。

ウォール・ストリート・ジャーナルはこれらの文書をもとに、インスタグラムが実施した調査で同アプリが少女の心の健康を害する可能性があることが示されたと報じていた。

<関連記事>

Presentational white space

こうした報道に対し、ザッカーバーグCEOは、フェイスブックの「虚像」が描かれていると反論していた。

ザッカーバーグ氏は従業員に向けた文書を自身のフェイスブックで公開。その中で、「私たちは安全や幸福、心の健康を深く気遣っている」、「私たちの取り組みや真意に関する誤った報道を見るのはつらい」などとした。

ソーシャルメディア大手をめぐっては、規制を求める声が高まり、厳しい見方が強まっている。

フェイスブックは世界で最も人気のあるソーシャルメディアサイトで、同社によると、月間アクティブユーザー数は約27億人。メッセージアプリのワッツアップやインスタグラムなど、同社の他の製品を利用している人も数億人にのぼる。

ただ、ユーザーのプライバシー保護を怠り、偽情報の拡散を食い止める努力を十分にしていないなど、さまざまに批判されている。

5日に行われた公聴会では、フェイスブックに変化をもたらす必要があるという点において、与党・民主党と野党・共和党の上院議員の意見が珍しく一致した。

フェイスブックの主張

フェイスブックは公聴会後に発表した声明で、「ハウゲン氏が証言した多くの問題の描写」に同意しないと述べた。一方で、「インターネットの標準ルールの作成を開始する時が来た」という意見には同調した。

「インターネットに関するルールが更新されてから25年が経過している。立法者に属する社会的決定を業界に期待するのではなく、議会が行動を起こすべき時が来ている」

同社のポリシー・コミュニケーション・ディレクター、アンディ・ストーン氏はハウゲン氏の議会証言について、子供の安全性やインスタグラムなど、ハウゲン氏が担当していない分野について同氏が質問を受けていると、ツイッターで反論した。

与野党の反応

公聴会では、与野党の議員からフェイスブックへの批判の声が上がった。

リチャード・ブルメンソール上院議員(民主党)は「自己への関心と自尊心に対してフェイスブックが今日、与えたダメージは、一世代に渡ってつきまとうだろう」と述べた。

さらに、「テクノロジー大手は今や、大手たばこ企業のように、真実が明らかにされて人々の開いた口がふさがらない状況に直面している」とし、たばこ企業が製品の悪影響を隠していたことを引き合いにした。

ダン・サリヴァン上院議員(共和党)は、フェイスブックが子供たちに与える影響が明らかになったことを踏まえ、世界が将来、この時代を振り返った時に「我々は一体何を考えていたんだろうか」という疑問が浮上するだろうと述べた。