「スター・トレック」のキャプテン・カーク俳優シャトナーさん、宇宙へ

Actor William Shatner, best known for his portrayal of Captain James T. Kirk of the USS Enterprise in the Star Trek television series and movies, signs autographs for fans on the opening day of MEGACON at the Orange County Convention Center.

画像提供, Getty Images

画像説明, カナダ出身のウィリアム・シャトナーさんは「スター・トレック」の最初のテレビシリーズから、宇宙艦エンタープライズ号のカーク艦長を演じた

米人気シリーズ「スター・トレック」で「カーク艦長」を演じた俳優ウィリアム・シャトナーさん(90)が、史上最年長で実際に宇宙へ行くことになった。

米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏による宇宙旅行会社「ブルー・オリジン」が4日、シャトナーさんが今月12日にテキサス州から宇宙へ出発すると発表した。ただ10日になって強風の予報が出たため、米中部夏時間13日午前8時半(日本時間同午後10時半)に延期すると発表した。

「スター・トレック」のテレビシリーズや映画で長年、「ジェイムズ・T・カーク」を演じ続けたシャトナーさんは、「もうずっと長いこと、宇宙のことを耳にしていた。実際にこの目で見る機会を生かすことにした。なんてすごい奇跡だろう」とコメントした。

シャトナーさんは、ブルー・オリジンによる2回目の有人宇宙飛行で、他の3人と共に同社の「ニュー・シェパード」ロケットに搭乗する。「ニュー・シェパード」は再利用可能なロケット型宇宙船。

10分間の宇宙滞在へ

ベゾス氏は今年7月20日、同社初の有人宇宙飛行に参加。この最初の飛行には、ベゾス氏の弟(53)や、宇宙開発の先駆者で宇宙へ行く史上最高齢の宇宙飛行経験者ウォリー・ファンク氏(82)、史上最年少の18歳青年も参加した。

7月の飛行と同様、今月のフライトも宇宙滞在時間は約10分間になる見通し。国際航空連盟(FAI)が定めた「カーマン・ライン」と呼ばれる宇宙空間と大気圏を分ける仮想の境界線がある、海抜高度100キロまで上昇する予定。

ブルー・オリジンによると、同社の宇宙飛行担当副社長オードリー・パワーズ氏と、米航空宇宙局(NASA)の元技師、臨床研究ソフトウェア会社の創業者も参加する。

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シャトナーさんは「スター・トレック」で、人生の大半を宇宙空間で過ごすカーク役を演じ続けた。2013年報道によると、米ヴァージン・ギャラクティックに宇宙飛行の機会を提示されて、これは断っていた。サー・リチャード・ブランソンは当時、英紙サンに対して、シャトナーさんが飛行恐怖症だからだと話していたが、シャトナーさんは、ブランソン氏に高額な料金を要求されたため、「そちらが金を出すなら行くよ。巨額の金と引き換えに、自分の命を危険にさらしてもいい」と逆提案したのだと説明していた。

ヴァージン・ギャラクティックは今年7月11日、ロケット宇宙船「ユニティ」の試験飛行に成功。ブランソン氏も搭乗し、目標の高度80キロ以上に到達していた。

他の「スター・トレック」関係者も

「スター・トレック」関係者が実際に宇宙へ行くのは、シャトナーさんが初めてではない。昨年の英紙タイムズ報道によると、2008年には「スコッティー」こと「機関士モンゴメリー・スコット」を演じたカナダ人俳優ジェイムズ・ドゥーハンさんの遺灰が、没後3年にして国際宇宙ステーションへひそかに運び込まれていた。

ニュー・シェパードは、急成長する宇宙観光事業に対応するために設計された。

ベゾス氏など複数の実業家が、民間宇宙旅行を安価に提供するための競争に乗り出しており、「新宇宙」時代と呼ばれている。

ブルー・オリジンをめぐっては今月、現職と元職を含む従業員21人が、同社が宇宙競争で勝とうとするあまり安全配慮を無視していると主張した。また同社には、性差別的な社風があるとも非難した。これに対して同社は批判された内容を否定しており、安全確保を重視してきたと強調した。