卵子や精子の凍結保存、最長55年に延長 英政府計画
ジェニファー・マイアランス、BBCニュース

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英政府は、卵子や精子、胚(受精卵)の凍結保存を、最長55年まで可能にする計画を明らかにした。家族を形成する時期について、国民の選択の幅が広がるとしている。
サジド・ジャヴィド保健相は、最長10年となっている現行限度について、「ひどく自由を縛るものだ」と述べた。
王立産婦人科医協会の調査によると、現代の凍結技術では、卵子を劣化させることなく永久保存できるという。
政府計画の実施には、議会の承認が必要。
「タイマーを止められる」
保健省は、第三者のドナーや、生前に凍結保存していた細胞を本人の死亡後に使うことをめぐっては、追加の条件が設けられるだろうとした。
現行制度では、保存限度の10年を迎えると、カップルは不妊治療を受けるか、保存した細胞を廃棄するか、選ばなくてはならない。
新制度では、カップルは10年ごとに、細胞や胚を凍結保存し続けるか、廃棄するかを選択できるようになる。
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ジャヴィド氏は、「この新たな法律により、人々は心の奥にあるタイマーを止められるようになる」と説明。
「こうした変革により、私たちは大きく前進する。生殖をめぐる自由の拡大だけでなく、平等の点でも前進を果たす」と述べた。
英不妊学会のラジ・マスール会長は、今回の計画を歓迎。期限の延長は、「私たちの患者全員に、個人やカップルとしての、生殖をめぐる選択権を守る」ことになると話した。
凍結保存とは
卵子や精子、胚を凍結保存することで、後年になって赤ちゃんをもつ可能性が生まれる。
卵子15個ほどを取り出し、急速に冷やして液体窒素タンク内で保存。必要になった時に解凍し、生存している卵子に精子を注入する。
精子の場合は通常、ストローと呼ばれる容器に、いくつかに分けて凍結保存する。複数回の治療で使えるようにするのが目的。
一方、胚は、最初の不妊治療がうまくいかなかった場合や、のちにきょうだいをつくろうとする場合に備えて、治療の途中で凍結する。
凍結は、受精卵が未分割の段階か、4~8細胞期、またはそれ以上に成長した段階で実施する。






