バイデン氏、米軍撤退は正しいと主張 国民に向け演説

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アメリカのジョー・バイデン大統領は8月31日、国民に向けて演説し、米軍のアフガニスタン撤退の決定は正しいと訴えた。撤退によりアフガニスタンでは、武装勢力タリバンが復権を果たしている。
米軍は20年間にわたったアフガン駐留を30日に終えた。バイデン氏はこの日の演説で、駐留延長という選択肢はないと述べた。
また、タリバン政権のアフガニスタンから12万人以上を航空機で退避させたことについて、軍部隊をたたえた。
タリバンはアフガニスタンで「勝利」を祝っている。
「先延ばしするつもりはなかった」
バイデン氏は演説で、まだアフガニスタンにいて帰国を望んでいる米国民約200人について、出国させる努力を続けると約束。
同時に、米軍撤退の判断は正しいと強調した。
「この終わりなき戦争を延長させるつもりはなかった。終わりなき撤退も延長させなかった」と述べ、こう続けた。「アフガニスタンでの戦争はこれで終わった」。
さらに、アメリカは自国防衛のために部隊を現地に置く必要はないと述べた。
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撤退で治安部隊崩壊
米軍は2001年の米同時多発攻撃後まもなく、アフガニスタンに進攻し、タリバンを政権の座から追い出した。同国を拠点とするイスラム聖戦主義武装組織アルカイダが、アメリカ攻撃を実施したとした。
今回の慌ただしい米軍撤退をめぐっては、米国や同盟国でバイデン氏を批判する声が上がっている。撤退は、米軍が長年資金を投入して訓練してきたアフガン治安部隊の、予想外の崩壊を招いた。
タリバンは11日間で、ほぼ全土において権力を奪還。8月15日にはついに、首都カブールに入った。
バイデン氏は6000人規模の米軍部隊を派遣。カブール国際空港を管理下に置き、米国と同盟国の国民、米国などのために働いたアフガニスタン人らの退避を進めた。
空港には、退避便への搭乗を希望する人たちが多数押し寄せた。

<分析>アンソニー・ザーカー北米担当記者
バイデン氏は、アフガニスタンの混乱と死の1カ月の「ページをめくろう」とした。さらには、最終的には無益だった、20年間にわたる同国の占領と国づくりにおいても、ページをめくろうとした。
彼は時に、自己防衛をしているように見えた。米軍が8月に撤退する前に、米国民には19回にわたって、アフガニスタンを出国するよう警告していたと述べた。アフガン指導者や、アメリカが頼りにしていた同盟国について、「腐敗と不正」があったと非難した。さらには、ドナルド・トランプ前政権がタリバンと交渉し、不適切な撤退の合意に至ったとして、責任があると主張した。
バイデン氏は、アフガニスタンにはアメリカにとって、極めて重要といえる国益はないと述べた。そして、アメリカの外交政策について、軍派遣の度合いを弱め、中国やロシアといった敵対国と相対するための外交と国際協調に重きを置く方向へ、転換を印象づけようとした。
世論調査からは、米国民がアフガニスタンからの米軍撤退をまだ支持している様子がうかがえる。ただ、バイデン氏の出口戦略に不満を感じている人は多い。米政府関係者は、時間の経過とともに国民がバイデン氏が成し遂げたことに感謝し、どのような終わり方をしたのか詳細を忘れることを望んでいると話している。













