米軍、ドローン攻撃による民間犠牲者を調査 子供6人が死亡か

米国防総省は30日、アフガニスタンの首都カブールで29日に自爆テロへのドローン攻撃を行った際、民間に多数犠牲が出たという報道に、現時点では反論できないと述べた。
BBCの取材に応じた家族の親族は、カブール空港近くで行われたこの攻撃で、この家族の6人の子供を含む10人が殺害されたと話した。
アメリカ軍は、過激派勢力「イスラム国(IS)」系組織「IS-K」の関係者少なくとも1人を乗せた車を標的にしたと発表。民間の死者については調査を進めていると付け加えた。
「IS-K」とは、過激派「イスラム国(IS)」系の地元組織「ISKP(イスラム国ホラサン州)」の別の略称。
米軍司令官らによると、ドローン攻撃の後に「大規模な二次爆発」があった。空港を自爆攻撃するつもりだった車両には大量の爆発物が積まれており、これがドローン攻撃で爆発したため、周辺に被害が出たとの見方を示している。
爆発被害にあった家族はBBCに対して、子どもの犠牲者のうち最年少は2歳のスマヤちゃん、最年長は12歳のファルザドくんだったと話している。
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犠牲者の親族ラミン・ユースフィさんは、「これは間違っている。残虐な攻撃で、間違った情報をもとに起きたことだ」と話した。
ユースフィさんは涙ながらに、「なぜ私たちの家族を殺したのか? 私たちの子供たちを? 焼け焦げてしまって、遺体も顔も判別できなかった」と語った。
別の親族のエマル・アフマディさんは、自分の2歳の娘が攻撃で殺害されたと話した。
アフマディさんをはじめとするこの家族は、アメリカへの避難を申請しており、空港へ向かうよう指示する電話を待っていたところだったという。
この家族の犠牲者の中には、アメリカ軍の通訳を務めていたアフマド・ナセルさんも含まれている。それ以外にも、以前国際組織で働いており、アメリカの渡航ビザ(査証)を持っていた人もいた。
アフマディさんは、アメリカが「大きな過ちを犯した」と語った。

米国防総省のジョン・カービー報道官は、アメリカはこうした報道に「反論する立場にない」と語った。
「誤解しないでいただきたいのは、アメリカ軍ほど民間の犠牲者を出さないよう努力をしている軍隊はいないし、誰も無実の命が奪われるのは見たくない」
「我々はこうしたことを非常に、非常に重く受け止めており、もし我々の攻撃で無実の命が失われたと分かれば、それについて隠し立てはしない」
カービー氏はその上で、カブールのハマド・カルザイ国際空港に「IS-K」による「非常に現実的かつ特定的な、切迫した脅威」があったという情報を擁護した。
米中央軍は先に、ドローン攻撃の後に「大規模かつ強力な二次爆発」が複数回あったと発表。このことから、「(標的の)車内に相当量の爆発物があり、犠牲者が増えた可能性がある」としていた。
ロケット砲による攻撃
「IS-K」は26日、米兵13人や市民100人以上が死亡したカブール空港入り口での自爆攻撃について犯行声明を出しており、アメリカは警戒を強めていた。
この自爆攻撃の犠牲者の多くは、8月15日に武装勢力タリバンがアフガニスタンを掌握して以降、カブールからの避難の飛行機に乗ろうと空港に集まってきた人々だった。
これについてアメリカは、8月31日の駐留部隊の撤退期限に向けて攻撃が激化すると繰り返し警告していた。
30日には、空港に向けて5発のロケット砲が撃ち込まれ、米軍のミサイル防衛システムが迎撃した。これについても、IS-Kが犯行声明を出している。
現地メディアが伝えた動画や画像では、カブール市内に煙が立ち上る様子や、路上で燃えているように見える自動車が映っていた。
アメリカは、空港を新たな攻撃から守るため、ロケット砲や迫撃砲に対する防衛システムを増強するとしている。
タリバンへの対応は
30日夜には、タリバン勢力下のアフガニスタンへの対処法を決める国際会議が相次いで行われ、イギリスの閣僚や官僚も参加した。
ドミニク・ラーブ外相は主要7カ国(G7)や北大西洋条約機構(NATO)の外相会議に臨んだほか、カタールの外相とも会談した。
また、米ニューヨークの国連本部では、米英仏が、国外に避難する人を守る安全地帯をカブールに設置する案を安全保障理事会に提出。アフガニスタンからの自由な出国を認めるという約束の順守をタリバンに求める内容については、13カ国の賛成で可決された(中ロは棄権)ものの、安全地帯の設置は決議に盛り込まれなかった。

<解説>リーズ・ドゥセット国際報道主任特派員
8月31日は、米軍主導のアフガニスタンでの軍事作戦の終わりを意味するが、タリバンは外国による占領が終わると宣言するはずだ。アフガニスタンの人々は9月1日の朝、この新章が何をもたらすのかを待つことになる。
40年にわたる戦争に転機が訪れるたび、人々はより良い生活を渇望してきた。しかし、私が見てきたここ30年の中で、今ほど先が見通しにくい時代はない。
タリバンは、すべてのアフガニスタン人のための統治を約束している。世界一の教育システムを提供し、あらゆるニーズを満たすと。反乱から再統治への移行には大きな困難を伴う。世界中が注目することになるが、誰よりタリバンを凝視することになるのはアフガニスタンの国民だ。まだ帰属意識を抱いている国で、自分らしいと言える暮らしがやって来るのか、逡巡(しゅんじゅん)し、わずかな望みをかけている。
アフガニスタンの人はよくこう言う。最後に失うのは希望だからこそ、自分たちは希望にしがみつくのだと。
一方、すでにこの国を離れた数千人の中には、この世代で最も有能な人たちがいる。国際交流の窓が開かれた過去20年の間に教育や訓練を受け、準備してきた世代だ。
彼らは祖国を離れただけではなく、祖国そのものを失った。夢を失い、希望を失い、過去20年に築き上げたすべてを失った。これからの日々は当分の間、とてもつらいものになるだろう。













