130の国と地域、法人税の最低税率「15%以上」で合意

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経済協力開発機構(OECD)は1日、加盟国を含む130の国と地域が、共通の法人税の最低税率を15%以上とすることで合意したと発表した。大企業に対し、事業展開している地域に関係なく「公平な税負担」を求める。
ジャネット・イエレン米財務長官は「今日は経済外交にとって歴史的な日」だと述べた。
ハイテク大手に対する課税は、アメリカとほかの国の摩擦の原因となってきた。
国際的な法人税改革に関する交渉会合を主導したOECDは、今回合意に至った計画によって年間約1500億ドル(約16兆7000億円)の税収が発生するとした。
一方でOECDは、法人税の低いアイルランドとハンガリーは合意に加わらなかったと明らかにした。
アメリカ、イギリス、中国、フランスといったG20諸国は合意を支持した。
参加国の政府は今後、最低税率を導入するための関連法の制定を目指すことになる。特定の産業に関する適用除外の可能性などについては、交渉が必要となる。
協議に参加した139の国と地域のうち130の国と地域が署名した声明は、「2021年10月までに、残された問題を含めた詳細な実施計画を最終決定する」としている。
各国はまた、大手多国籍企業の課税対象に関する新ルールにも署名した。これにより、1000億ドル(約11兆1600億円)以上の利益に対する課税権は、企業が本社を構える国ではなく、実際に利益を生み出した国に移ることとなる。
「この争いの勝者はいない」
イエレン米財務長官は、今回の合意は税率における「底辺への競争」が終わりを向かえつつあることを示すものだと述べた。
「何十年もの間、アメリカは自滅的な国際的租税競争に参加し、自国の法人税率を引き下げ、それに応じて他国が法人税率を下げてきた」
「その結果、『誰がいち早く、より多くの法人税率を引き下げることが出来るか』という世界的な底辺への競争に陥った」
そしてイエレン氏は、この争いに勝った「国は1つもない」と述べた。
バイデン政権は国際的な合意を求める一方で、国内で増税を目指している。例えば、アメリカ国内での法人税率を21%から28%に引き上げることを求めている。
各国の反応
イギリスのリシ・スーナク財務相は、6月にロンドンで開催されたG7(主要7カ国)の財務相会合で、富裕国が租税回避行為に対抗することに合意したことを挙げ、「我々は歴史的な合意を達成し、多国籍の大手ハイテク企業が適切な国で適切な税金を支払うようにした」と述べた。
「この勢いが続いていることをうれしく思うとともに、今日のOECDの進展を歓迎する」
「10月までに詳細を決定するために、今後数カ月の間に世界のパートナーと議論を継続できることを楽しみにしている」と、スーナク氏は述べた。

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ブルーノ・ル・メール仏財務相は記者会見で、「100年ぶりに成立した最も重要な国際租税取引」だと述べた。
ドイツのオラフ・ショルツ副首相兼財務相は、詳細を詰める必要があるものの、今回の合意は「巨大な一歩」であり、各国はインフラや気候変動対策など「重要な優先事項」への支出を増やすことができるとした。
アイルランドは合意への参加を見送った理由について、提案された法人税の「最低税率」に対して懸念があると説明した。
「アイルランドは広範な支持を表明した。(中略)しかし、『15%以上』という国際的な最低実効税率の提案については留保した」
「その結果、アイルランドはコンセンサス(総意)に加わる立場にはない」










