バイデン氏「一世代に一度の」経済対策を発表 インフラ整備に255兆円

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ジョー・バイデン米大統領は31日、インフラ整備と気候変動対策に2兆ドル超を投じる経済対策を発表した。
新たな経済対策では、8年間で2兆3000億ドル(約255兆円)を投じる。電気自動車の充電ステーションの整備や、鉛製の給水管の撤去などにも数十億ドル費やす。
ホワイトハウスは、過去数十年間で最も意欲的な公共投資だと説明。米経済を成長させ、中国をはじめとする他国への競争力を維持するために必要だと訴えた。
実現には議会の承認が必要。
バイデン氏はこの日、ペンシルヴェニア州ピッツバーグで演説し、「一部をいじるような計画ではない」、「アメリカにおける一世代に一度の投資だ」と述べた。
財源は、企業への増税で賄う。政府は15年間の増税で、費用をカバーできるとしている。
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こうした計画に、早くも激しい反対の声が出ている
野党・共和党は増税について、「停滞と下落を招く」と批判。ビジネス・ラウンドテーブルや商工会議所など、ビジネス界の有力ロビー団体は、投資は支持するが増税には反対だとした。
こうした反発から、今回の経済対策の議会での承認をめぐって、厳しい闘いがあると予想できる。
経済対策の中身と財源
今回の経済対策では、道路整備、鉄道やバスの車両交換、老朽化した橋の補修などのインフラ整備に6000億ドル超を投じる。
また、退役軍人病院の改良、低所得者向け住宅の改善、高速ブロードバンドの拡充、製造業とテクノロジー研究に対する助成金などにも数十億ドルを投入する。
さらに、地方のコミュニティーや、有色人種のコミュニティーにも投資する。歴史的に黒人のために設立された大学に、気候問題に取り組む国立研究所を創設することなどが予定されている。

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バイデン氏は費用を確保するため、法人税率を21%から28%に引き上げる考えを表明。これは2017年に議会が認めた減税を、部分的に取り消すものだ。同氏はまた、海外での利益に対する税率を上げることも提案している。
バイデン氏はこの日の演説で、財源確保の方法については「他の案も広く検討する」と述べた。
また、「これらの投資ができなければ、借金が膨らみ、子どもたちを競争相手と比べて不利な状況に実質的に追いやることになる」、「現在の分断のために、未来にとって正しいことができないのは認められない」と主張した。
議会で承認されるか
今回の経済対策は、バイデン氏が昨年の大統領選で訴えた内容にかなり近い。だが、議会でどれくらい承認されるかは定かではない。
英調査会社キャピタル・エコノミクスの北米担当主任エコノミスト、ポール・アシュワース氏は、「(議会での)協議は通常、何カ月もかかる。承認されたとしても、政権が当初提案した内容がわずかに見て取れるといったものになる」と述べた。
黒人が多いメリーランド州ボルティモア市で、持続可能エネルギー分野の職業訓練などを提供している非営利団体、シヴィック・ワークスのセンター・フォー・サステイナブル・カリアーズでディレクターを務めるイーライ・アレン氏は、ゆくゆくはバイデン氏の意欲が感じられる対策が承認されると「慎重に楽観している」と話した。
「人種の平等に力を入れることは、過去に私たちが協力してきた連邦政府の対策には見られなかった」、「有色人種コミュニティーで(給料がよく福利厚生も充実している)仕事に就く人を増やすうえで、そうした注力は非常に大事だ」。
BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、バイデン氏が銃規制や選挙権、移民、環境、医療制度改革などよりインフラ整備の対策を打ち出したのは、支持を得られやすく議論になりにくい分野で、先日の新型コロナウイルス対策に続いて、議会承認を得ようとしたためとみられると解説。
ただ、共和党は法人増税に猛反対すると予想されることから、今回の経済対策も政党間の分断に埋没してしまう恐れがあると説明した。










