東京五輪「無観客」が最もリスク少ない 尾身会長ら専門家有志が提言

Tokyo 2020 logo. File photo

画像提供, AFP

7月23日に始まる予定の東京オリンピックについて、日本政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家の有志は18日、「無観客開催は、会場内の感染拡大リスクが最も低いので、望ましい」とする提言を発表した。

東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う新型コロナの感染拡大リスクについて、尾身会長ら感染症の専門家26人が連名で提言をまとめた。新型コロナウイルス感染症の政府対策本部と、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会にあてた内容で、「ワクチン接種が順調に進んだとしても、7月から8月にかけて感染者および重症者の再増加がみられる可能性がある。また、変異株の影響も想定する必要がある」と指摘した。

さらに、「大会開催を契機とした、全国各地での人流・接触機会の増大による感染拡大や医療逼迫(ひっぱく)のリスクがある」として、「無観客開催は、会場内の感染拡大リスクが最も低いので、望ましいと考える」と提言した。

「もし観客を収容するのであれば」、「観客数について、現行の大規模イベント開催基準よりも厳しい基準」を採用し、「観客は、都道府県を越えた人々の人流・接触機会を抑制するために、開催地の人に限ること、さらに移動経路を含めて感染対策ができるような人々に限る」よう求めた。また、「感染拡大・医療逼迫の予兆が探知される場合には、事態が深刻化しないように時機を逸しないで無観客とすること」と提言した。

加えて、「パブリックビューイングや応援イベントも、人流・接触・飲食の機会の増加につながることが予想」されるとも指摘した。

専門家の提言を受けた大会組織委員会の橋本聖子会長は、観客の有無について「政府方針の下で決めたいと思っているが、状況によっては無観客も覚悟しないといけない」と述べたものの、「競技を見たい人がいる限り、リスクをできるだけ払拭して、最後まで(観客を入れる可能性を)探るのが組織委の仕事」だと話した。

日本政府と大会組織委員会は、会場ごとに1万人を上限に観客を入れる案を検討しているとされる。これについて18日に記者会見した尾身会長ら専門家の間からは、「1万人を想定するのは東京の状況を考えると厳しい」という意見が出た。

東京五輪の観客数の上限については21日に政府や国際オリンピック委員会(IOC)などが協議し、決定する見通し。

五輪スタッフ・ボランティアの接種開始

他方18日には、東京五輪のスタッフやボランティアの新型コロナウイルスワクチン接種が始まった。

米ファイザー社は、IOCおよび日本政府との取り決めにもとづき、4万人分のワクチンを提供している。接種対象には、選手村スタッフや大会を取材する報道陣も含まれる。

日本政府は東京など9都道府県の緊急事態宣言を20日に解除すると決定した。一方、日本でワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は約16.4%、2回接種を完了した人の割合は約6.42%に留まっている。