米首都ワシントンの司法長官、アマゾンを独禁法違反で提訴

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米首都ワシントンの司法長官は25日、米アマゾンが小売大手としての地位を乱用して商品価格を引き上げ、反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして提訴した。
訴状では、アメリカのオンライン販売の最大70%を支配するアマゾンが商品価格の上昇をもたらしているとしている。
「アマゾンのオンライン小売販売プラットフォームは、アマゾンの反競争的なビジネス慣行から恩恵を受け、それに守られている」
コロンビア特別区(首都ワシントン)のカール・ラシーン司法長官が提出した訴状は、アマゾンが自社サイトの第三者販売業者に対し、商品価格の最大40%の手数料を請求し、他のプラットフォームで商品をより安く販売することを阻止していると非難している。
「アマゾンは消費者が最良の商品を最安値で入手できるようにするどころか、アマゾンのオンライン小売販売プラットフォームで販売される商品と、競合他社のオンライン小売販売プラットフォームで販売される商品の両方について、オンライン販売市場全体の価格を人為的につり上げている」
これに対し、アマゾンの広報担当者は、「(ワシントン)DCの司法長官は全く真逆のことを言っている」と反論した。
「アマゾンは幅広い品ぞろえを低価格で提供していることに誇りをもっており、他店舗と同様に、顧客に対して価格競争力のないオファーを強調しない権利を有している」
「反競争的」慣行の停止求める
今回の訴訟はアマゾンの「反競争的」慣行の停止と、損害賠償や救済措置を求めるもの。しかし、適用範囲はコロンビア特別区での違反行為に限定される。
アマゾンは、この救済要求によって「より高額での商品の提供を余儀なくされ、奇妙なことに反トラスト法の中心的な目的に反することになる」と付け加えた。
同社は2019年、販売業者が同社プラットフォーム以外でより安い価格で商品を販売することを禁止する契約条項を廃止した。だが、ラシーン司法長官は「事実上同一の代替規約」をつくっていたと主張している。
欧州委員会は昨年11月、アマゾンが外部の販売者から集めたデータを自社ブランド商品の販売促進に利用していたとして、EUの競争法(独占禁止法)違反で提訴している。
アマゾンは自社のプライベートブランド商品は反競争的であるどころか、顧客にとって良いものであり、より多くの選択肢を提供しているとした。
「アマゾンほど中小企業を大切にし、過去20年にわたって中小企業を支援してきた企業はない」と、アマゾンは当時主張していた。
パンデミック下で売上急増、監視が強化
今回の訴訟は、新型コロナウイルスのパンデミックの中で、売上や会員数が急増したハイテク企業に監視の目が向けられるようになったことが背景にある。
例えばフェイスブックやグーグルは、アメリカやイギリスの規制当局から、市場における「支配力が強すぎる」と非難されている。
こうした中アマゾンは、新型ウイルス対策のロックダウンにより消費者が自宅待機を余儀なくされたことを受け、売上を急激に伸ばした。同社の2021会計年度第1四半期の純利益は81億ドル(約8820億円)と、前年同期の3倍以上だった。







