香港・民主派のメディア大物、保釈が認められる

Media mogul Jimmy Lai Chee-ying, founder of Apple Daily, walks to a prison van to head to court, after being charged under the national security law, in Hong Kong, China December 12, 2020.

画像提供, Reuters

画像説明, 詐欺罪と外国勢力と結託した罪に問われている黎智英(ジミー・ライ)氏(12日)

香港の高等法院(高裁)は23日、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で起訴された香港メディア界の大物、黎智英(ジミー・ライ)氏(73)の保釈を認めた。同罪に問われた人の中で、黎氏は特に著名で影響力も大きい。

今月2日に収監された黎氏は、この決定で自宅軟禁の状態に置かれる。保釈金は130万ドル(約1億3500万円)。

アレックス・リー裁判官は、パスポートの没収や、中国に敵対的とみられる国の政府関係者や機関との会合の禁止など、保釈の条件を多数設定した。

ソーシャルメディアへの投稿や声明の発表、メディアの取材に応じることも禁じた。

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地元タブロイド紙・蘋果日報(アップルデイリー)創業者の黎氏は、中国政府を厳しく批判してきた。香港の民主化運動を支持する著名人の1人で、個人資産は10億ドル(約1035億円)以上とみられている。

新聞社ビルの賃借をめぐる詐欺罪と、外国勢力と結託した罪に問われており、有罪となれば終身刑が言い渡される可能性がある。

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黎氏は今月2日に詐欺容疑で逮捕された際に保釈を請求したが、退けられた。弁護団はこれに不服を申し立て、高等法院が23日に審理した。

黎氏の公判は来年4月に開かれる予定。

中国政府は国安法について、政情不安が続いた香港の安定を取り戻すものとしている。一方、反対者らは、政府批判を抑え込むのが狙いだと批判している。

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香港では英雄、中国では「裏切り者」

黎氏は服飾産業で最初に財を築いた後、メディア業界に参入。アップルデイリーの親会社・壱伝媒(ネクスト・デジタル)を設立した。

香港メディアに中国政府への恐怖感が広がる中、黎氏は紙面や著作物を通し、中国指導部を公に批判し続けてきた。

こうした姿勢から、黎氏は多くの香港市民から英雄視されている。だが中国本土では、国の治安を脅かす「裏切り者」とみられている。