ロンドンなどイングランド各地で警戒レベル引き上げ 新型コロナウイルス

画像提供, Reuters
イギリスのマット・ハンコック保健相は15日、新型コロナウイルスの流行拡大を受け、17日からロンドンやエセックス、ヨークなどの警戒レベルを第2段階の「高い」に引き上げると発表した。
イギリス政府は14日、イングランドに感染リスクを3段階に分ける新たな警戒システムを導入した。第2段階では、7人以上の集会禁止や、飲食店の午後10時以降の営業禁止といった従来の制限に加え、屋内で別の世帯と集まることが禁止される。
15日時点では、リヴァプール・シティー地域だけ第3段階の「非常に高い」に設定されている。一方、グレーター・マンチェスターでは、第3段階への引き上げを市長が拒否した。
今回の発表により、イングランド住民の半数以上が「高い」あるいは「非常に高い」警戒レベルでの生活を送ることになる。
ハンコック保健相は、「事態は改善する前に悪化するだろう」と指摘。「これらの対策は簡単なことではないが、重要なことだと理解している」と述べた。
イギリスでは15日、新規感染者が1万8980人となった。新型ウイルス検査で陽性が判明して28日以内に亡くなった人は138人に上っている。
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グレーター・マンチェスターは「財政支援を」
今回、警戒レベルが第2段階に引き上げられるのはロンドン、エセックス(サウゼンドおよびサーロックを除く)、ヨーク、ノースイースト・ダービシャー、チェスターフィールド、ダービシャー州アーウォッシュ、サリー州エルムブリッジ、カンブリア州バロウの各地域。
一方、グレーター・マンチェスターの第3段階への引き上げについては、財政支援の有無も含めて協議が続いている。
第3段階ではパブの営業が禁止されるほか、屋内や自宅の庭で他世帯と会うことや、ほとんどの屋外イベントなどが禁じられる。
アンディー・バーナム市長は記者会見で、同地域の指導者は「満場一致で」引き上げに反対していると説明。政府の計画は「欠点だらけで不公平なもの」だと批判した。
「政府は、我々の住民の雇用や家庭、企業活動、地域全体の経済といったものを、専門家が成功しないかもしれないと言っている戦略に賭けようとしている」
バーナム市長はさらに、イングランド北西部への財政支援を訴え、「グレーター・マンチェスターやリヴァプール・シティー地域、ランカシャー州は、地域ロックダウン戦略の試験場として、炭鉱のカナリアのような役割をさせられている」と批判した。
「少なくとも、一連の制限で影響を受ける全ての雇用労働者に80%の有給休暇を、自営業者には80%の収入支援を、企業には適切な補償スキームを設けるべきだ」
ハンコック保健相、第3段階への引き上げが決まっている地域は他にないと述べた一方、「迅速な対応が必要だ」と念を押している。
野党は「サーキット・ブレーカー」を提唱
最大野党・労働党のキア・スターマー党首は、全国で「サーキット・ブレーカー(短期的かつ限定的なロックダウン)」を行って感染率を下げるべきだと発言。COVID-19に「免疫のある地域はない」と述べ、政府の警戒レベルのシステムでは「数週間、数カ月と苦難が続くだろう」と話した。
労働党のジョナサン・アッシュワース影の保健相も、「数週間にわたる」全国的なロックダウンは「社会に大損害」を与えるとした一方、2~3週間であれば「ウイルスから主導権を取り戻せる」だろうと語った。
ロンドンではパブの生き残りに懸念
ロンドンのサディク・カーン市長は市議会で、新しい制限を設ける「以外の選択肢はない」と述べた。
また、政府に引き続き財政支援を求めると話したものの、「この冬は厳しいものになるだろう」との見解を示した。
不動産コンサルティングのアルタス・グループによると、ロンドンにはパブが3640軒、レストランが7556軒あるが、いずれも政府支援の対象にはならない見込みだという。
英国ビール・パブ協会(BBPA)は、「適切な支援パッケージ」がないままで第2段階の制限を課されれば、パブの数は「激減する」だろうと警告した。
同協会のエマ・マクラーキン会長は、現在の制限ですでに経営が圧迫されている中、新しい制限が課されれば「生き残るために闘っているほとんどのパブ」が置き去りになってしまうと語った。











