米共和党、1兆ドルの追加支出法案 民主党は「不十分」

Donald Trump talks while Mitch McConnell looks on.

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画像説明, トランプ大統領とマコネル上院院内総務(左)

米与党・共和党は27日、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を立て直すため、1兆ドル(約106兆円)規模の追加支援策を盛り込んだ法案を提案した。

法案には、学校への1000億ドルの支出や、大多数の国民に対する最大1200ドル(約12万7000円)の支給などの経済対策が含まれている。

失業保険に週600ドルを上乗せする現行プログラムは、新型ウイルスの流行中、この経済対策が取って代わるとしている。

野党・民主党はこの法案を、「まったく不十分」だと批判。今後、両党は協議に入る。

失業保険の加算を減額

アメリカはすでに、新型ウイルスの経済対策で2兆4000億ドル超を支出。企業や家庭に現金給付を届けている。

しかし、エコノミストらは春以降、さらなる支援が必要だと訴えてきた。

共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務は、共和党としてはすでに実施した経済対策の効果を見極めたいが、「必要に合わせ、対象を定めた法案」を作成したと述べた。

法案では、各州政府がパンデミック以前の賃金の70%を支給する仕組みを整備するまでは、失業保険への週600ドルの加算を週200ドルに減らして継続するとしている。

失業保険の減額は、手厚い支給がかえって失業者の就職意欲を失わせているという懸念に配慮したもの。失業保険の受給者の3分の2が、働いていたときより収入が増えたとみられている。

マコネル氏は、今週で終了する失業保険への上乗せについて、共和党としては「続けたい」とした上で、「しかし(経済)再開のブレーキにならないようにしなくてはいけない」と述べた。

民主党の反応

民主党上院のチャック・シューマー院内総務は、法案について、「規模が小さ過ぎ、遅過ぎだ」と述べた。

アメリカでは2月以降に失業した人が1500万人近くに上っている。新型ウイルスの感染拡大が続いており、再び規制を導入する場所もあるなど、経済の回復は覚束ない状況だ。

米国勢調査局の調べによると、労働者のほぼ5人に1人が失業保険を受給しており、成人の半数以上が世帯収入の減少に直面している。

「これはとても深刻な危機だ」とシューマー氏は話した。「時間切れが迫っている」。

シューマー氏は、共和党の法案だと「30%の給与削減」に相当すると主張。労働者の多くに戻るべき仕事がない状況で、各州が新たな制度に切り替えて対応するのはほぼ「不可能だ」とした。

「保険金の支給が何カ月も遅れないとしても、何週間かは遅れる。景気後退がどんどん深刻化していく」

a man in a mask sits in front of his barber shop

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画像説明, 経済が再開するなか、新型ウイルス対策の支援を減らすべきだとの意見が共和党議員から出ている
Transparent line

民主党は、独自の3兆ドル規模の財政出動を求める法案を作成。地方自治体の財政支援を進めるとしている。

民主党関係者の多くは失業保険の減額に反対している。共和党が労働者の新型ウイルスによる健康被害について雇用者側を免責させようとしていることにも反対している。

マコネル氏は24日、法案の協議には「数週間」かかるとの見通しを示した。