米財務省、死んだ人にもコロナ手当を送付 14億ドル相当

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アメリカの財務省が、新型コロナウイルスの救援基金のうち14億ドル(1500億円)を死亡している人々に誤って送っていたことが、政府の調査によって明らかになった。
会計検査院(GAO)が行った新型ウイルスをめぐる連邦基金の調査では、これ以外にもいくつかの「困難」が判明したという。
3月以降、連邦議会は新型ウイルス流行を受けた経済減速からアメリカ経済を守るため、合わせて2兆6000億ドルを注入している。
しかし、送金を急いだあまりに間違いが起きてしまったと査察官は説明している。
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たとえば、財務省は各世帯に小切手を送付する役割を担っていたが、死亡届は確認しなかったという。このプログラムに関わっている税務当局職員は、送付間違いの可能性を指摘していたされる。
また報告では、アメリカのパンデミック関連支出の26%を占める中小企業向けのローン基金「給与保護プログラム(PPP)」では詐欺のリスクが「非常に大きかった」と警告。中小企業庁について、ローンやその監督計画に関する情報提供に協力していないと非難した。
「承認されたローン件数やその手続きの速さ、限られた安全策などから、一部の詐欺申請や過剰申請も承認されたリスクが非常に大きい」
その上で、こうしたリスクに対する対策を変えることは「重要だ」と述べている。
資金注入をめぐる議論
連邦議会では現在、さらなる資金注入が必要かどうかの議論が行われている。
民主党議員や、中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)ジェローム・パウエル議長を含むエコノミストらは、高い失業率などを背景にさらなる救援を訴えている。一方、多くの共和党議員は資金の承認に消極的だ。
共和党のパット・トゥーミー上院議員は、「次へ進む前に、何が必要なのかを非常に、非常に気をつけて精査しなくてはならない」としている。
ホワイトハウス高官は、追加の刺激策を行う可能性はあるとしたものの、これまでの政策が有効だったかを点検するのは理にかなっていると述べた。しかし、政府の政策プログラムが監督を困難にしているという批判も出ている。
ドナルド・トランプ大統領は4月、新型ウイルス関連支出を監督する政府職員を解任している。
民主党のナディア・ヴェラスケス上院議員は、監査によって「納税者の基金の管理怠慢」や「誤った取り扱い、軽視」が明らかになったと指摘した。
「今回の報告書で明らかになったのは、透明性と説明責任の必要性だ」
「この訴えに政権は答えるべきだ」
アメリカの新型ウイルス対策費
連邦議会は3月以降、2兆6000億ドルを新型ウイルス対策につぎ込んでいる。これはアメリカ経済の14%に当たる。
このうち11%に当たる2800億ドル以上が、年収7万5000ドル以下の個人に一律1200ドル、未成年に500ドルの直接手当に当てられている。
GAOの報告によると、これまでに1億6040万人分に当たる2690億ドル相当が支払われているという。
また、対策費の中ではPPPが26%と、最も大きな割合を占めている。PPPでは460万社に合わせて5000億ドル以上が支払われた。
こうした支払いについては、不明確な規則や監督不足によって失敗が起きているとの批判が出ていたが、今回のGAOの報告がこの主張を裏付けた格好だ。
GAPは、「深刻で広範囲におよぶ健康問題と経済的混乱への緊急対応を両立させるため、政府機関は資金送付や新たなプログラムの導入について、可能な限り迅速に動くことが最優先となった」と説明。
「しかしそれと引き換えに、透明性や説明責任の目標では今のところ、わずかな進展しか見られない」









