南アフリカ、ロックダウン中の禁酒令を解除 店舗には列が

Customers buy alcohol at a liquor shop in Melville, Johannesburg

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南アフリカで1日、新型コロナウイルスの流行対策の一環として導入されていた禁酒令が2カ月ぶりに解除され、アルコール飲料販売店の前に長い行列ができた。

ソーシャルメディアにも、早朝の寒さに負けずアルコール飲料を買った客を称賛する投稿があふれている。

南アフリカ当局は、警察や病院が新型ウイルス対策に集中するのに必要だとして、アルコール飲料の販売を禁じていた。

同国ではアルコール関連の暴力事件が大きな問題となっている。

医師や警察からは、禁酒令によって病院に搬送される負傷者の数が激減し、大きな変化があったとの声があがった。

Workers help a customer load alcohol in his van moments after purchasing at Makro Silverlakes Liquor Store in Pretoria on June 1, 2020

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しかし、同国のビール醸造所やワイナリーからは、商売を奪われてしまったと苦情が出ていた。

またBBCのアンドリュー・ハーディング記者によると、政府も酒税による税収を大幅に失っているという。

南ア当局は現在、世界でも最も厳しい部類だったロックダウン(都市封鎖)を徐々に解除しようとしている。

しかし、学校の再開は当初の予定より1週間遅れている。

禁酒にも解除にも賛否両論

シリル・ラマポーザ大統領は、1日からアルコール飲料の販売を再開すると発表。しかし販売できるのは金曜日を除く平日の午前9時から午後5時に限定した。

また、解禁されたのは家での飲酒に限られる。

最大野党・民主同盟(DA)は禁酒令に反対し、1日に数時間だけ酒類販売を認める「スマート・ロックダウン・モデル」を推奨していた。

一方、左翼政党「経済的解放の闘士」のジュリアス・マレマ党首は禁酒令の解除に反対している。

マレマ氏は声明で、「アルコール飲料は破壊的で、家族を壊し、生活を壊し、避妊しないセックスや病気のまん延を増長させる」と語った。

南アフリカで行われた研究では、殺人やレイプ、暴力といった犯罪にアルコールが大きく関わっていることが分かっている。

BBCのヴマニ・ムキゼ記者によると、当局は混雑を避けて新型ウイルス感染のリスクを下げるため、解禁されたからといって店につめかけるのではなく、アルコール飲料購入を1週間に分散させるよう市民に警告している。

ツイッターでは、酒類販売店「トップス」とロックダウンの水準「レベル3」が南アフリカのトレンド上位に上がり、アルコール販売の復活を祝う人々の写真であふれている。

Commuters queue to use buses to work

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画像説明, 通勤のためにバス停に並ぶ人々

1日からはほとんどの産業で営業が再開され、少なくとも推計800万人が職場に復帰した。

しかし制限緩和とはうらはらに、同国での新型ウイルス感染率は上昇を続けている。ケープタウンで感染者が急増しており、ほかの大都市圏も同じような傾向になるとみられている。

また、検査キットが深刻に不足していることも問題となっている。

南アではこれまでに3万2000人以上の感染が確認され、638人が亡くなった。