米教会、ズームを提訴 聖書勉強会で性的虐待動画流れる

Zoom file pic

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画像説明, 世界的な外出自粛で、ズームの利用者は1000万人から2億人に跳ね上がった

新型コロナウイルスの流行で利用者が急増しているビデオ会議アプリ「Zoom」(ズーム)を、米カリフォルニア州のキリスト教会が訴えた。オンラインの聖書勉強会をハッカーが乗っ取り、子どもの虐待動画を流すなどしたとしている。

サンフランシスコで最も歴史ある教会のひとつ、セイント・ポーラス・ルーテル教会は13日、ズームが本社を置くカリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所に提訴した。

裁判資料によると、今月6日の聖書勉強会で、ハッカーがズーム利用者のパソコンを乗っ取り、「気分が悪くなる不穏な動画」を流したという。

ズームの広報は、「恐ろしい出来事」を非難する内容の声明を出し、セキュリティー対策を拡大していると強調した。

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勉強会の参加者は8人で、多くは年金生活者だった。参加者たちはパソコンを操作できなくなり、ハッカーがポルノ動画を流したという。

動画には、大人同士の性行為や、大人が幼児や子どもに対して性行為を行う場面、子どもたちを身体的に虐待する場面などが含まれていたとしている。

参加者たちはテレビ会議をいったん終了させ、再開した。すると同じハッカーが再び攻撃してきたという。

Man talking via Zoom

画像提供, Zoom

画像説明, ズームに対しては安全面から厳しい目が向けられている
Presentational white space

このハッカーは当局に何度か通報されている「有名な違反者」だとしている。

同教会の指導者らがズームに対応を求めたが、同社は「何もしなかった」と主張している。

同教会がズームを相手に起こしたのは集団訴訟。同社に過失や暗黙の契約違反、不正な利得行為、不公正な商行為があったとして、不特定の損害賠償を求めている。

相次ぐ「ズームボミング」

ズームは声明で、「衝撃を受けた方々に同情します」、「この件を知ったのと同じ日に違反者を特定し、このサービスにアクセスできないよう措置を取り、関係当局に通報しました」と述べた。

また、「最近更新したセキュリティー対策」にも言及。利用者は会議へのアクセスやパスワードを広く共有しないよう呼びかけた。今回の教会のケースでは、そうした動向がみられたとしている。

ズーム利用中に招かれざるゲストが侵入し、人種差別や虐待に関するコンテンツや、性的に露骨な内容などを掲示する行為は「ズームボミング」(ズーム爆撃)と呼ばれている。

利用者の急増とともにそうした行為も続出していることから、ズームの安全性とプライバシー対策に厳しい目が向けられている。

同社は今週、ブログで最新の安全対策を公表。端末間の暗号を整備するなど、さらなるセキュリティー対策を取ると約束した。

ズームはこれまで、会議参加者しかテキストや動画機能を利用できないようになっていると事実と異なる説明をし、批判を浴びている。