バイデン氏、元アシスタントの性的暴行の訴えを否定

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米大統領選の民主党候補指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領(77)について、約30年前の上院議員時代に性的暴行をしたとする疑惑が浮上し、バイデン氏側が否定している。
この疑惑は、バイデン氏の議員事務所で短期間、アシスタントを務めたタラ・リードさん(56)が主張しているもの。
リードさんは先月、ポッドキャスト番組に登場。司会のケイティ・ハルパーさんのインタビューに答え、1993年にバイデン氏に壁に押し付けられ、シャツやスカートの下を触られたと述べた。
バイデン氏の選挙陣営は、「こうしたことは絶対に起きていない」と否定した。
陣営の広報担当の女性は、「女性には敬意をもって訴えを聞いてもらう権利があると、バイデン氏は強く信じている」と述べた上で、「そうした訴えは独立した報道機関の綿密に検証を受けるべきだ。今回の訴えについては、事実ではないのははっきりしている」と述べた。

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「服の下に手を入れられた」
ポッドキャスト番組でリードさんが話した内容によると、1993年春に運動着などを入れたバッグをバイデン氏に届けるように言われた。持参すると、バイデン氏と2人きりの状況になった。
「言葉は交わさず、彼はただ私を壁際に追いやった」、「突然のことだった(中略)彼は私の体の上に手を置き、服の下に入れてきた」。
その後、バイデン氏はリードさんの性器に指を挿入したという。
「彼がそうしている時に『どこか別の場所に行きたい?』と言ったのを記憶している。私が彼から離れると、彼はこう言った(中略)『なんだよ、僕のことが好きだと聞いていたのに』」、「あの言葉は記憶に残っている」
リードさんは、バイデン氏が女性の権利擁護に熱心な人だと思っていただけに、この経験はなおさら衝撃的だったと話した。
性的暴行を刑事告発
リードさんは今月9日、警察に被害届を出した。性的暴行の被害に遭ったとしたが、バイデン氏の名前は言及しなかったという。
リードさんはツイッターで、時効の期限が過ぎており、「安全上の理由だけで」告訴したのだと説明した。
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昨年4月に8人の女性が名乗り出て、バイデン氏から不適切な接触、ハグやキスなどがあったと指摘した際、リード氏もその1人だった。ただし当時、バイデン氏の行動を性的暴行と呼んだ人はいなかった。
バイデン氏は昨年のこの時点で、他人との関わり方で「もっと気をつける」と約束していた。
NYタイムズの取材では
米紙ニューヨーク・タイムズの取材では、リードさんの友人2人ときょうだい1人が、リードさんからバイデン氏に性的に襲われたときの様子を詳しく聞いたと述べた。
しかし同紙は、バイデン事務所の元スタッフの誰からも、リードさんの訴えの裏づけを取ることができず、バイデン氏が性的問題行動を繰り返していたという常習性もまったく確認できなかった。
リードさんはバイデン事務所の上席スタッフ数人に、バイデン氏からハラスメントを受けたと、暴行を受けたとは言わずに報告したとしている。
そのスタッフには、上級補佐のマリアン・ベイカー氏も含まれていたとした。しかしベイカー氏は、「認識も記憶もまったくない。そうした説明を受けていたら、働く女性として、管理職として、強烈な印象が記憶に刻まれたはずだ」として否定している。
リードさんによると、事務所スタッフがハラスメントの訴えに対応するのを拒否したため、連邦議会上院に告発書を提出した。まもなく、リードさんは事務所での仕事を失い、解雇されたという。
リードさんが上院に出したという告発書の記録は見つかっていない。
その後、リードさんは西海岸に引っ越し、家庭内暴力のサバイバー(被害を生き延びた人)と動物救援団体を支援する州上院議員の事務所で働いた。

選挙運動への影響は?
27年前の疑惑は、大統領選の民主党候補指名争いからバーニー・サンダース上院議員が撤退し、バイデン氏が共和党のドナルド・トランプ大統領と11月に対決することが確実になったタイミングで浮上した。
BBCワールド・ニュースの司会者キャティ・ケイは、リードさんの訴えがバイデン氏の選挙運動に打撃となる可能性について、ゼロではないが高くはないと指摘。
理由として、有権者の多くはバイデン氏のことを、人の体に気軽に触れるタイプだと認識しており、そうした行動が#MeTooの動きを受けて問題となったものの、間違いをしっかり認めたと受け止めていることを挙げた。
また、バイデン氏をめぐってはリードさん以外に性的暴行の被害を訴える人がなく、同じような問題行動を繰り返してきた形跡も見られず、民主党員はリードさんよりバイデン氏を信じるとみられることもあるとした。









