トランプ氏の電話内容「不適切」と米高官 ホワイトハウスは公式アカウントで攻撃

画像提供, Reuters
ドナルド・トランプ米大統領の弾劾調査の公聴会が19日、連邦議会下院情報委員会であった。トランプ氏とウクライナ大統領の電話首脳会談を直に聞いていた高官が、その内容について「不適切」だと感じ、「呆然(ぼうぜん)とした」と証言した。
高官は、米国家安全保障会議(NSC)のウクライナ担当をつとめるアレクサンダー・ヴィンドマン陸軍中佐。軍服姿で証人席に座った。
ヴィンドマン中佐は、トランプ大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で、ジョー・バイデン前副大統領に関する捜査を求めたと証言した。
その上で、「耳にしたことが信じられなかった」と述べた。
NSC高官の中佐が公聴会で、トランプ大統領の通話内容について証言している最中、ホワイトハウスの公式ツイッター・アカウントは、中佐の元上司がヴィンドマン氏の判断力を疑問視する内容とツイートした。
「不適切と弁護士に報告」
電話会談は7月25日にあった。中佐はその内容を、職務として耳にしていた政府高官の1人だった。
ヴィンドマン氏はさらに、「想定し得る最悪のウクライナ政策が展開されていることに、ショックを受けていたと思う」とし、こう続けた。
「大統領が政敵の捜査を要請、要求するのは不適切だ。特に、完全に公正な捜査がなされるかが怪しい外国に対して行い、それが明るみに出たときに大きな影響をもつものであれば」
ヴィンドマン氏はのちにNSCの弁護士に、「不適切」な会話があったと「義務感から」報告したという。
「私はアメリカ人だ」
公聴会では、ヴィンドマン氏がウクライナ政府職員から、同国の国防相への就任を誘われていたと共和党議員が指摘。同氏のアメリカに対する忠誠心を疑問視した。
これに対しヴィンドマン氏は、「その話題が出るたびに、相手にしなかった」、「私はアメリカ人だ」と述べた。
ヴィンドマン中佐はウクライナ生まれ。家族は40年前に旧ソヴィエト連邦からアメリカに移住した。
同氏はイラク戦争に従軍。これまで多くの勲章を受けている。
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BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者によると、ヴィンドマン氏は証言中、手をわずかに震わせ、言葉につまる場面があった。
共和党側にはこれを、同氏の弱さや確信のなさを示すものとみる向きもあった。
しかし、ヴィンドマン氏の手の震えなどは、同氏がこの日の議会証言について「真実を話すから大丈夫」と言って父親を安心させたと述べたエピソードを紹介したときに見られた。
そのため、同氏の人間性をうかがわせたものと受け止めた米国民もいたとみられる。
証言中にツイッター攻撃
ホワイトハウスの公式ツイッター・アカウントはヴィンドマン氏の証言中、同氏のNSCでの元上司が、同氏の判断力を疑問視する内容をツイートした。
さらに、#ShamImpeachment(いんちき弾劾)、#ParodyImpeachment(パロディー弾劾)といったハッシュタグのツイートをリツイートした。
トランプ政権が、税金で運営されているツイッターのアカウントを政敵攻撃に使用していることについては、批判の声が出ている。
トランプ氏自身もツイッターで個人攻撃を繰り返している。先週は、マリー・ヨヴァノヴィッチ前駐ウクライナ大使を批判するツイートを、前大使が公聴会で証言中に発信した。
テレビ中継された公聴会は、この日で3日目。
「普通ではなかった」
この日の公聴会では午前中、マイク・ペンス副大統領の外交顧問ジェニファー・ウィリアムズ氏も証言した。
ウィリアムズ氏は、トランプ氏とゼレンスキー氏の電話会談でバイデン氏への言及があったのは「普通ではなかった」と発言。
「バイデンへの言及は、私には政治的に聞こえた」と述べた。
午後には、元NSCスタッフのティム・モリソン氏と、国務省のウクライナ担当特別代表カート・ヴォルカー氏が証人となった。
ヴォルカー氏は、トランプ氏が「ウクライナに対して前々から根深いネガティブな印象をもっていた」と証言。
トランプ氏にゼレンスキー新大統領に関する「ポジティブな報告と提案」をしても、「明らかに(ルディ)ジュリアーニ元市長など他の情報源から、よりネガティブな情報を得ていて、彼はネガティブな印象を持ち続けることになった」と述べた。
一方、数週間前にNSCスタッフを辞任したモリソン氏は、辞任は圧力を受けたものではなく、報復の懸念も感じていないと述べた。
冒頭の声明では、弾劾調査のきっかけをつくった内部告発者が誰なのか、知らないと述べた。












