カラオケで反米感情を喚起 中国で大人気の「貿易戦争」
ケリー・アレン、BBCモニタリング

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貿易をめぐる米中の衝突が深刻化する中、中国のソーシャルメディアで、政治宣伝色の強いある歌が話題(と困惑)を呼んでいる。
「貿易戦争」というタイトルのこの歌は、中国の主要メッセージアプリ、微信(ウィーチャット)17日に投稿されて以来、10万人以上が再生している。この人気を受け、この歌に合わせたビデオ映像も製作された。
趙良田氏という元役人が作詞したとされる。アメリカを激しく非難し、「震え上がらせてやれ」と気勢を上げる内容だ。
中国では、このようなプロパガンダの歌は珍しくない。国民の間でカラオケの人気が高いことから、中国政府は若者たちに政府方針を伝える方法として、カラオケが効果的だと考えている。
アメリカは今月10日、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当に対する関税率を25%に引き上げた。そうした状況で、この歌は反米感情を高める役割を果たしている。

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「貿易戦争」は長さ約3分で、動画には拳を炎に突き上げる画像や、北京の美しい風景の写真が組み込まれている。
戦時中のゲリラ戦を描いた有名な抗日プロパガンダ映画「地道戦」の曲に合わせてあり、軍隊のスローガン風に仕上げてある。
歌詞には「貿易戦争、貿易戦争、とんでもない挑戦など怖くない」、「太平洋をまたいで貿易戦争が起きている、一帯一路は一部になった」、「加害者が戦いたいなら、震え上がらせてやる」といった言葉が並ぶ。
「英雄的な愛国闘士」
中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、この歌をめぐって、さまざまな意見が噴き出している。
あるウィーチャットのユーザーは「彼の言葉はみんなを情熱的にしてくれる」と投稿。これには100以上の「いいね」が付いた。
作詞者を「英雄的な愛国闘士」と称えたコメントには、1000以上の「いいね」が集まった。
この歌を「アメリカ帝国主義者と彼らの貪欲な野望」への一撃として賞賛する書き込みもある。
一方、中国が貿易戦争の歌を広めているとして、困惑を示す書き込みも。「これでは北朝鮮と変わりない」という意見も出ている。
反米感情をあおる歌を利用する動きは、以前から中国でみられる。

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2017年5月には、国営メディアが「THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)にノー」というラップの曲を大々的に広めた。この曲は、現在は廃止されたアメリカのミサイル迎撃システムに韓国が協力していることを非難する内容だった。











