ゴーン前会長の映像を公開、「強欲ではない」 

Carlos Ghosn in the video

画像提供, Carlos Ghosn

画像説明, 録画映像で無実を主張した日産のカルロス・ゴーン前会長

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が再逮捕される前に撮影した映像が9日、日本外国特派員協会で公開された。前会長は「全ての嫌疑について無実だ」と訴え、強欲でも独裁的でもないと主張した。

映像は前会長の弁護団が公開した。前会長は「これは『陰謀』、『策略』、『中傷』ということです」と述べた。その上で、「アライアンスの次のステップ(中略)がある人たちに確かな脅威を与え、それがゆくゆくは日産の独立性を脅かすかもしれないと怖れたのです」とし、自らを「陰謀」の犠牲者だと強調。公正な裁判を要望した。

さらに、1999年の初来日時と同じくらい現在も日本を愛していると述べた。

これに対し日産は、一連の出来事は全てゴーン前会長とグレッグ・ケリー前取締役の不正行為によるもので、日産の内部調査でも多くの証拠が挙がっているとコメント。今後もゴーン前会長の不正行為の実態が明らかになるだろうと述べた。

弁護士は「人質司法」と非難

一方、ゴーン前会長の家族の弁護士ジェシカ・フィネル氏は4日、前会長について、日本の司法制度に「人質に取られている」と語った。

フィネル氏はBBCに、ゴーン前会長は「恣意的な拘束」を受けており、公正な裁判を受ける権利が侵害されていると批判。日本における容疑者の処遇水準が国際的なレベルに達していないと主張し、抗議書を国連に提出したと述べた。

前会長の妻のキャロル・ゴーン氏についても、前会長の「野蛮な」再逮捕の犠牲者だと語った。キャロル氏は「身の危険」を覚えたと述べており、前会長の代理としてフランス政府に介入を要請するためフランスに帰国したという。

カルロス・ゴーン容疑者と妻のキャロル・ゴーン氏

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画像説明, 日産の前会長カルロス・ゴーン容疑者と妻のキャロル・ゴーン氏

「圧力をかけられている」

前会長は昨年11月に逮捕され、報酬の過少申告や会社資金の私的支出などの会社法違反(特別背任)の罪で起訴されている。逮捕から保釈まで勾留期間が3カ月に及び、その間に事件の関係書類を読んだり勾留の取り消しを求める手続きを進めたりできない時期もあったとされる。

フィネル氏は「彼は基本的に圧力をかけられている。精神的に参らせ、無理やり自白させるためだ」と話した。

フィネル氏は今月4日の再逮捕についても、ゴーン夫妻が「危険なテロリスト」であるかのような「とても野蛮な」方法でなされたと検察官を非難した。

再逮捕では、ゴーン前会長は裁判所の保釈の条件を守っていたにもかかわらず、早朝5時50分に検察職員20人が滞在先に現れ、前会長を逮捕したという。

当時、キャロル氏は女性警察官の前でシャワーを浴びることだけを許され、全身をくまなく調べられたとされる。検察はパスポート、携帯電話、パソコンを取り上げ、弁護士不在のままキャロル氏を事情聴取しようとしたという。

前会長は以前から、彼の逮捕はルノー、日産、三菱を統合する計画に反対する日産幹部らによる「謀略と裏切り」によるものだと主張している。