ニュージーランドの完璧な「インスタ映え」スポット、人が押し寄せ問題に
ヴィクトリア・パーク BBCニュース

画像提供, Tomas Alfoldi
長い距離を歩き、山を登り、ついに、完全に人がいない場所へたどり着いた――そこには、人の列があるだけだった。まったく同じような写真を撮るために行列している人たちだ。そんな写真が、ソーシャルメディアで見られるようになった。
ニュージーランド南島のワナカ近郊にそびえる山「ロイズ・ピーク」の山頂で、写真撮影に並ぶ人の列を写した写真が、掲示板サイト「レディット」で大人気となり、24時間で7万5000回以上の高評価を受けた。

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ニュージーランド自然保護局の報道官によると、2016年調査と2018年調査の比較でロイズ・ピークを訪れた観光客の数は12%増え、2017年には約7万3000人がこの山を登った。ソーシャルメディアを通じてロイズ・ピークが「これぞワカナだというシンボルのような場所」になったからだという。
しかし報道官は、完璧な写真を取るために山頂で列を作るのは義務ではないと付け加えた。「いつからか、一部の人がひとりでに列を作り始めただけ」。


旅行口コミサイト「トリップ・アドバイザー」の利用者は、「ロイズ・ピークは、ニュージーランドでインスタグラム用写真を撮る人気スポットの1つだ。見晴らしの良い場所には、魅力的な写真を撮ろうと大勢が集まっている。周りにいる知らない人たちが入らないように撮影するのは大変で、大勢に見られながらポーズを取るのもいささか気まずい」と書いた。
「人数が増えたせいで、山道も変わってしまっている。土地にどれぐらい損害を与えているのか気になる!」と、非常に多くの人が山を訪れていることの影響に疑問を投げかける人もいた。
ニュージーランド自然保護局は、訪問者向けにいくつかの勧告を発表。地域の自然に配慮すること、山頂への登山には適切な準備をすること、そして天気の状態が変わったら引き返すのを受け入れることを求めた。

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ロイズ・ピークの登山道は、途中にある湖まで私有地を通過した後、農地を通って標高1578メートルの山頂まで上ることになる。
チッコ・ハンドヨさんはロイズ・ピークを訪れ、「山頂に着くと、頂上から約10メートルの列があった」とツイートした。
ヒツジ、タビネズミ、ゾンビ
写真については批判も多い。美しい景色をただ楽しむより、写真を撮ることのほうが大事なのは「悲しい」世界だとの声もある。
ツイッター利用者の「ボビー」さんは、「ヒツジ、タビネズミ、そしてゾンビ。自己完結型のウェブ世界にある自己陶酔的なスレッドに逃げ込んでいる」と投稿した。
「ポーリーン」さんは、「この写真は本当に不愉快。なんなのこの人たち。登山道をやっと登ってついに美しい光景を目にしたら、私ならただじっと見つめて泣いて、見られたことに感謝するだけ」とツイートした。
胸を打つ光景を撮影するため群がるのは、バックパッカーたちだけではない。ある米国人カップルも、まさに写真と同じ場所で結婚するため、ヘリコプターを使って山頂に向かった。

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世界中の他の絶景スポットで、似たような列に遭遇した経験を書く利用者もいた。「MrCoffee999」さんはレディットに「日本にある伏見稲荷大社の鳥居めぐりで同じ経験をした」と書いた。
「山道を登る途中に、みんな写真用のポーズを取る。ポーズを取って写真撮影する人を待つのに、10秒ごとに止まるのは、楽しくなかった」

画像提供, Kenny Lee








