【写真で見る】 アフリカ・コンゴの新型ウイルス 現地写真家たちが記録

オンラインの共同プロジェクトが、COVID-19やはしか、エボラ出血熱の流行に見舞われている2020年のコンゴ(旧ザイール)で、大勢が直面る困難な状況を記録している。

Vendors and shoppers at Kituku market on the shores of Lake Kivu in Goma

画像提供, Moses Sawasawa for Fondation Carmignac

画像説明, コンゴ東部ゴマのキヴ湖の湖岸にあるキトゥク市場で売り買いする人々

「対話するコンゴ」(Congo in Conversation)は、現在の保健衛生の危機において同国が直面している人的、社会的、環境的な問題を記録しているウェブサイトだ。

コンゴを拠点とする主にコンゴ人のジャーナリストや写真家らが、記事や写真、動画をアップロードする。

カーミナック財団と、カナダ系イギリス人の写真家フィンバー・オライリー氏が設立した。

同財団は毎年、人権や環境などの時事的な問題を取り上げた作品を制作する個人に助成金を支給している。

オライリー氏は、第11回カーミナック・フォトジャーナリズム賞の受賞者だ。同氏は今年、同賞の一部として、コンゴでの写真報告を計画した。

しかし、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)のため国境が閉鎖されると、オライリー氏と撮影チームは、取材方法の再考を迫られた。これが、「対話するコンゴ」のサイト開設につながった。

A person wears Covid-19 protective overalls and mask

画像提供, Justin Makangara for Fondation Carmignac

画像説明, 首都キンシャサでアパートの入り口に立つ、防護服を着たCOVID-19対応チームのメンバー。約75の世帯と事業所が入居するこの建物の入り口に立ち、社会的距離に関する住民らの意識を高めるとともに、出入りする人の体温を測定している
A street scene showing shoppers in DR Congo's capital Kinshas

画像提供, Justin Makangara for Fondation Carmignac

画像説明, キンシャサの路上。コンゴ当局は社会的距離の確保のため、学校を閉鎖し、主要な経済活動を停止させている。同国では流行の初期、多くの人が新型ウイルスを脅威と認識せず、対策も取らなかった

オライリー氏は英ロンドンから、コンゴ各地にいるジャーナリストたちの活動を調整し、ビデオや写真、記事をウェブサイトで公開している。

「あまりに長い間、アフリカの物語はよそ者によって語られてきた。そういう人たちの植民地支配的な態度が反映され、物語を話すときに表れる基本的かつ人種的な偏見が強固にされてきた」とオライリー氏は言う。

「ありがたいことに、ここ数年でアフリカ人ジャーナリストがどんどんソーシャルメディアなどで自分の声で自分たちの物語を語り、考えや見方をシェアするようになった。そのおかげで、事態は変わり始めた」

コンゴの大部分ではロックダウンが続いている。しかし何百万人ものコンゴ人は、社会的なセーフティーネットがほとんどない中、非公式の経済に頼って何とか生活している。

A market in DR Congo's capital Kinshasa

画像提供, Justin Makangara for Fondation Carmignac

画像説明, キンシャサの市場

「コンゴで最初のCOVID-19患者が発表されてから、首都キンシャサでは新型ウイルスに関する偏見と誤った情報が広まっている」と、コンゴ人写真家の1人、ジャスティン・マカンガラ氏は言う。

「かなり広まってしまった認識の1つに、COVID-19は『金持ち病』だというのがある」

「巨大都市キンシャサでは、偏見もいくらか生まれている。『新型コロナウイルスはLGBTコミュニティーに対する神の罰だ』などと、特定の少数者に汚名を着せるものもある」

「それでも、ろうを使ったマスクが製造され、最も弱い人を支援しようとあちこちに慈善団体ができるなど、この国は社会経済的危機に直面しているにも関わらず、パンデミックとの戦いで努力が積み重ねられている」

Vendors and shoppers at Kituku market on the shores of Lake Kivu

画像提供, Moses Sawasawa for Fondation Carmignac

画像説明, ゴマのキヴ湖の湖岸にあるキトゥク市場で売り買いする人々。多くのコンゴ人はその日暮らしをしており、社会的距離の確保に関する保健当局の指導に従う余裕はない

露天の物売りや商売人、オートバイのタクシー運転手らはその日暮らしをしており、資産も蓄えもないことが多い。

国連によると、アフリカ大陸の全労働者の半数近くに、失業の恐れが生じているという。

Vendors and shoppers at Kituku market on the shores of Lake Kivu

画像提供, Moses Sawasawa for Fondation Carmignac

画像説明, キトゥク市場で売り買いする人々
Vendors at a street market in Goma

画像提供, Ley Uwera for Fondation Carmignac

画像説明, ゴマの露天商たち

「コンゴ人の若手写真家として、このパンデミックとの戦いで積極的に活動していることを誇りに感じている」と、寄稿者のモーゼス・サワサワ氏は話した。

「(『対話するコンゴ』は)私の地元に10年以上も危害を加えてきた政情不安定のことを忘れさせてくれる。戦争にもかかわらず、若いコンゴ人たちは多くの才能があると世界に向かって示す場を提供してくれている」

「国民がこの危機下でどう暮らしているのか、そしてコンゴが社会経済的にどういう危うい状況にあるか、真に伝えることができるようになった。それが私にとって、このパンデミックのプラス面だ」

Stores seen closed in the evening

画像提供, Justin Makangara for Fondation Carmignac

画像説明, 4月5日の日曜日、午後9時5分、キンシャサでは14日間のロックダウンの準備が進められていた。食料品店や商店はすでに閉店されており、ふだんは人通りが多いこの地域もすっかり人が少なくなっていた
An empty classroom

画像提供, Justin Makangara for Fondation Carmignac

画像説明, キンシャサ市内の閉鎖された学校

コンゴが現在戦っている感染症は、COVID-19だけではない。

世界保健機関(WHO)によると、同国では2019年1月以降、はしかで6500人以上の子どもが死亡し、そのほか33万5000人が感染している。

ここ1年半で、エボラ出血熱の患者は3453人、死者は2273人に上っている。これは、歴史上2番目にひどいエボラ出血熱の流行だ。

A Red Cross burial worker shows a man how to put on protective gloves

画像提供, Finbarr O'Reilly for Fondation Carmignac

画像説明, 赤十字の埋葬担当の職員が男性に手袋のはめ方を教えている

「コンゴの若者を見ると、自分たちで問題に取り組んでいるのがわかる」とオライリー氏は言う。

「劣悪な行政の対応や、当たり前のように起きる人権侵害を、若者たちは決して受け入れない」

Neighbours and Red Cross burial workers in protective clothing gather outside a home

画像提供, Finbarr O'Reilly for Fondation Carmignac

画像説明, 北キヴ州ルチュルでエボラ出血熱の流行で死亡した生後11カ月の女の赤ちゃんの家の前に、赤十字の埋葬担当職員と近隣住民が集まっていた

「(若者たちは)ふつうなら政府がすべき役割を買って出ている。健康問題やCOVID-19の予防法を国民に教育しているのだ」

「コンゴはエボラウィルスの経験があるので、他のウイルスについても、備えがよくできている」

Neighbours and Red Cross burial workers in protective clothing gather outside a home

画像提供, Finbarr O'Reilly for Fondation Carmignac

画像説明, ルチュルで赤ちゃんの埋葬の準備をする赤十字の職員たち
The Red Cross burial workers carry a box containing the body of an 11-month-old girl

画像提供, Finbarr O'Reilly for Fondation Carmignac

画像説明, エボラ出血熱で死亡した赤ちゃんの棺を運ぶ赤十字職員たち

すべての写真は「対話するコンゴ」(Congo in Conversation)提供