子どもたちを有害コンテンツから守るには? カギは最新技術と教育
ローレル・アイヴス、ビジネステクノロジー記者

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ソーシャルメディアの有害コンテンツが子どもに与える影響への懸念が広がっている。親が子どものインターネットを使う時間を管理するツールには、どのようなものがあるだろうか?
オンライン上の生活から子どもを切り離すことは、子育てに苦労する親によくある悩みだ。
現代の子どもたちは何時間もインターネットを利用する。インスタグラムの「いいね」を追い、しばしばネットいじめに直面し、ゲームに没頭し、YouTubeの著名人に夢中になり、メッセージアプリで複数の「友人グループ」を行き来する。
ではどうやって、子どもたちを有害なコンテンツから守れるだろうか?
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何年も前からコンテンツフィルターを提供するソフトが流通している。しかしたいていの場合、親たちがそれを使いこなせていない。また、子どもが親にデジタル端末のパスワードを教えなければいけないため、口論になる可能性がある。
しかし今、新世代のペアレンタルコントロール・ツールが市場に出回っており、より簡単に子どもの見るコンテンツを管理できるとうたっている。
イギリスでは、「サークル・ウィズ・ディズニー」、「コアラ・セーフ」、「アイキッズ(Ikydz)」などといった製品で、スマートフォンアプリから家庭内の全てのデジタル端末をコントロールできる。

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これらの製品は、自宅のWiFiルーターに接続することで作動する。「サークル・ウィズ・ディズニー」の場合、白い立方体の製品を電源につなぐと、すぐにWiFiにつながっている携帯電話やパソコン、タブレットなどがリスト化され、さまざまな管理を行えるようになる。
どの端末を誰が使っているのかを見極めにくいのが難点だ。私の場合、夫の携帯電話を閲覧禁止にしてしまい、怒りを買った。しかし端末のMACアドレス(識別番号)さえ分かってしまえば、管理はそれほど難しくない。
こうした製品では例えば、未就学児、児童、10代、成人といったように、年齢によって閲覧フィルターをかけられる。これによってきわどいコンテンツや、賭博、出会い系コンテンツなどをブロックできる。
また、アプリやウェブサイトごとに利用の可否を決めることができる。フォートナイトは? インスタグラムは? そして利用時間の制限、インターネットへの接続の中断、寝る時間なども設定できる。
しかし、こうした管理は従来のコンテンツフィルター・ソフトでも可能だ。そして今日、インターネットプロバイダーやセキュリティーソフト会社、ウェブ・ブラウザーまでもが、サービス内で高品質のペアレンタルコントロールを提供している。
そしてここでも同じ問題が持ち上がる。私の11歳と13歳になる娘は、2人が見ているウェブサイトやアプリを私がのぞけると知った時、大々的に「プライバシーの侵害」を訴えてきた。
これは詮索のためでなく、利用制限と安全のためだと説得したところ、2人はしぶしぶ受け入れてくれた。
オンライン上の安全を訴える非営利団体インターネット・マターズが2018年に実施した、11~16歳を対象としたアンケートによると、回答者の65%がペアレンタルコントロールを支持しているとの結果が出ている。

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子どもの抱える問題に取り組み、政策提言を行う「イングランド子どもコミッショナー」を務めるアン・ロングフィールド氏は、インターネット利用に制限を付けることは良い子育て方針だと話した。
「インターネットはすばらしい資源にもなるが、子どもにとっては無法地帯でもある。私たちは、真夜中の公園に幼い子どもを置いていくのは良くないと考える。それと同様に、ガイダンスや制限を一切作らずにインターネットを徘徊させるのは良くないと考えるべきだ」
しかし、最新のフィルタリングサービスにも欠点はある。一部の製品は、子どもの携帯電話が家から離れ、WiFiとの接続が切れると動かなくなる。また、WiFiにつながずに携帯電話を利用した場合には一切機能しない。そもそも、一部のルーターでは使えないものもある。
では、他に選択肢はあるだろうか?
インターネット・マターズのジスレイン・ボンブサ氏は、最初に子どもに持たせるなら子供向けスマートフォンがいいだろうと話す。
「特定のウェブサイトへのアクセスを心配しているなら、自宅のブロードバンドのセーフサーチ機能をオンにするだけで十分だし、料金もかからない。検索エンジンでセーフサーチを設定したり、YouTubeで制限付きモードをオンにすることもできる」
また、最新の高速ルーターの中には、それ自体にペアレンタルコントロール機能がプリインストールされているものもあるという。

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一方、アメリカの家庭や教育機関でのインターネット教育を推進する非営利団体「サヴィー・サイバー・キッズ」を主宰するベン・ハルパート氏は、技術だけで阻止できる問題には限界があると指摘する。
「子どもがある一定の年齢に達すれば、ペアレンタルコントロールを避ける方法を友人から教わったり、自分で見つけたりするだろう」
「どんな技術を導入しても、親が子どもに見せたくないと思うコンテンツから子どもを完全に守ることはできない。子どもと信頼関係を築き、テクノロジーの利用について対話し続けるのがとても大事なのはそのためだ」
大半の専門家が、オンライン上で子どもの安全を守るには、技術的な対策と同じくらい、議論と教育、交渉が重要だとしている。










