米軍、太平洋でも船を攻撃 「麻薬テロリスト」だと国防長官

航行する小型ボートを上空から撮影した低精細の写真。上部には緑色で「UNCLASSIFIED」と示されている

画像提供, Pete Hegseth on X

画像説明, ピート・ヘグセス米国防長官が公開した、米軍に攻撃される直前の船舶の映像

バーント・デブスマン・ジュニア記者、マックス・マッツァ記者

アメリカ軍は22日、太平洋上で麻薬を積載していたとする船舶を攻撃した。同軍が太平洋でこうした攻撃を行うのは、前日の21日に続いて2回目。アメリカはこのところ、麻薬密輸に対する取り締まりを強化している。

ピート・ヘグセス国防長官は、22日の攻撃で3人が死亡したと発表。アメリカ軍側に負傷者は出なかったと明らかにした。アメリカは前日にも、太平洋上で別の船舶を攻撃し、2人を殺害している。ヘグセス長官によると、両船舶は国際水域の既知の密輸ルートに沿って麻薬を運搬していたとみられている。

アメリカは9月2日以降、麻薬密輸船だと主張する船舶への攻撃を、今回の2件を含めて合計9回行っている。ただし、8回目と9回目の攻撃を太平洋で行う以前は、カリブ海の船を標的にしていた。

ヘグセス長官はソーシャルメディア「X」で、「本日、戦争省(米国防総省の通称)はトランプ大統領の命令を受け、指定テロ組織が運航する船舶に対し、さらに1件の致死的なキネティック(動的)攻撃を実施した」と説明した。

「こうした攻撃は今後も連日続く。彼らは単なる麻薬密輸業者ではなく、我々の街に死と破壊をもたらす麻薬テロリストだ」とも長官は主張した。

この投稿には、アメリカの爆弾に攻撃された後に船舶が炎上する様子とみられる映像が添付されていた。映像では続いて、水面に浮かぶ物が映り、それが2度目の空爆の標的にされたように見える。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、国際水域で船舶爆撃を続ける法的権限が自分にはあると主張している。一方、陸上の標的も攻撃する場合には、その是非を米連邦議会に諮るかもしれないとしている。

「我々にはそれが許されているし、陸上でやるなら、議会に戻るかもしれない」と、トランプ氏は22日、ホワイトハウスで記者団に話した。

トランプ氏はまた、陸上での麻薬対策作戦を拡大する準備が政権として「完全に整っている」と述べた。これを実施すれば、重大なエスカレーションとなる。

アメリカが麻薬密輸船だと主張して行う船舶攻撃では、これまでに少なくとも37人が殺害されている。最近では、カリブ海で半潜水艇に対する攻撃が行われた。

また、先週の攻撃では2人の男性が生き残り、それぞれ南米コロンビアとエクアドルに送還された。

エクアドルはその後、アンドレス・フェルナンド・トゥフィーニョ氏と特定されたこの男性を釈放した。同国政府は、違法行為の証拠がなかったと説明している。もう1人の男性はコロンビア出身で、報道によると現在も入院中だという。

海に浮かんだ物体を上空から映した低精細の写真。上部には緑色で「UNCLASSIFIED」と示されている

画像提供, Pete Hegseth on X

画像説明, 映像では最初の攻撃後、海に浮かんだ物体をさらに攻撃していた

トランプ政権とコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領の政権との間では、一連の攻撃の中で緊張が高まっている。トランプ氏はペトロ大統領を「ならず者で悪人」と形容している。

「(ペトロ氏は)気をつけた方がいい。でないとこちらは、彼と彼の国に対してとても深刻な措置を取ることになる」と、トランプ氏は述べた。「彼は自分の国を死のわなに誘い込んだ」。

トランプ氏は19日にも、ペトロ氏を「違法薬物のリーダー」と非難し、「麻薬の大量生産をコロンビア全土の大小の畑で強く奨励している」と述べた。

トランプ氏はさらに、コロンビアへの財政支援を今後は実施しないとしている。コロンビアは歴史的に、アメリカにとって中南米における最も緊密な同盟国の一つとされてきた。

コロンビアと隣国エクアドルは共に、太平洋側の海岸線を広く有している。専門家によると、これらの海岸線は麻薬を中米やメキシコを経由してアメリカへと運ぶための経路として利用されているという。

アメリカ麻薬取締局(DEA)の推計によると、アメリカの都市へ運ばれるコカインの大半は太平洋を経由している。

これまでにアメリカが認めた攻撃の大半はカリブ海で行われているが、同海域での麻薬押収量は、全体の中では比較的小さい割合を占めている。ただし、米当局はその割合が増加傾向にあると警告している。

これまでのところ、米当局は自軍の攻撃で死亡した人物の身元や、所属していたとされる麻薬密輸組織について、詳細をほとんど明らかにしていない。

この作戦の一環として、約1万人の米兵と、数十機の軍用機および艦船がカリブ海に展開されている。