米中高官、貿易戦争解消の枠組みで合意 トランプ氏と習氏に提示へ

米中高官はロンドンで協議を行った(10日)

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アメリカと中国は10日、世界の二大経済大国間の貿易摩擦を緩和するための枠組みに原則合意したと明らかにした。

アメリカのハワード・ラトニック商務長官は、この合意により、レアアース(希土類)鉱物や磁石に関する制限措置が解消される見通しだと述べた。

両国の代表は、この枠組みをドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席にそれぞれ提示し、承認を求める方針だとしている。

この発表は、ロンドンで行われた米中高官による2日間の協議を経て行われた。協議では、現代のテクノロジー分野で不可欠なレアアース鉱物の中国による輸出が主要議題の一つとなった。

アメリカ側は、スマートフォンから電気自動車(EV)に至るまで、あらゆる製品の製造に必要なレアアース金属や磁石の輸出を中国が遅らせていると主張している。

一方、アメリカは中国に対し、半導体や人工知能(AI)関連技術を含むアメリカ製品へのアクセスを制限している。

ラトニック米商務長官は記者団に対し、「我々はジュネーヴでの合意の実施に向けた枠組みに到達した」と述べ、「大統領の承認が得られ次第、実行に移す予定だ」と語った。

両首脳の電話会談を受けて実施

今回の協議は、5日に行われたトランプ大統領と習国家主席との電話会談を受けて実施された。トランプ大統領はこの会談を「非常に良い対話だった」と評価している。

中国の李成鋼商務次官は、「両国は、6月5日の電話会談で両首脳が達成した合意およびジュネーヴ会議での合意を実行に移すための枠組みに、原則として合意した」と述べた。

今年初め、トランプ米大統領が複数の国からの輸入品に対して大規模な関税措置を発表した際、最も大きな影響を受けたのが中国だった。これに対し中国は、アメリカからの輸入品に対して報復的に関税を引き上げ、関税のかけ合いに発展。税率は最大で145%に達した

5月にスイスで行われた協議では、両国が一時的な「休戦」に合意し、トランプ大統領はこれを「完全なリセット」と表現した。

この合意により、アメリカは中国製品への関税を30%に引き下げ、中国もアメリカ製品への関税を10%に削減。さらに、中国は重要鉱物の輸出に対する障壁を撤廃することを約束した。両国は90日以内に正式な貿易合意を目指すことで一致した。

しかしその後、アメリカと中国は互いに非関税措置に関する合意違反があったと主張している。

ジェイミソン・グリア通商代表は、中国と合意した非関税障壁の撤廃を、中国が実行していないと述べた。

一方、中国側は、アメリカが合意に違反した例として、中国企業へのコンピュータチップ設計ソフトの販売停止、華為技術(ファーウェイ)製チップの使用に対する警告、中国人留学生へのビザ(査証)発給取り消しなどを挙げている。

10日の協議を前に、中国商務省は8日、一部のレアアース輸出ライセンス申請を承認したと発表した。ただし、対象国の詳細は明らかにしていない。

トランプ大統領は6日、習国家主席がレアアースの貿易再開に同意したと述べていた。