アメリカと中国、関税の大幅引き下げで合意 90日間の一時措置

協議に臨んだアメリカのスコット・ベッセント財務長官(左)と中国の何立峰副首相
画像説明, 協議に臨んだアメリカのスコット・ベッセント財務長官(左)と中国の何立峰副首相

アメリカのスコット・ベッセント財務長官は12日、中国代表と関税について合意した点について発表した。中国も対抗措置を停止すると明らかにした。両国は前日までの2日間、スイスで協議し、進展があったとしていた。

ベッセント氏はジュネーヴで、「活発な」話し合いの結果、米中は「相互」関税の90日間の停止で合意したとした。両国が互いに関税を115%ポイント引き下げることになるという。

中国商務省も、4月2日からアメリカに取ってきた「すべての関税対抗措置」を停止すると認めた。ロイター通信が報じた。

合意に関する共同声明では、関税の一時停止は14日に始まるとされている。また、両国は「経済・貿易関係に関する話し合いを継続するためのメカニズムを確立する」とも書かれている。

両国は今後も、どちらかの国か第三国で協議を続けるという。

今回の協議が終了した11日、ベッセント財務長官は、「生産的で建設的な」協議だったと述べていた。中国の何立峰副首相も、「突っ込んだ」内容で「率直」な話し合いだったとしていた。

両者は週末ずっと、非公開の協議を続けた。ドナルド・トランプ米大統領が中国からの輸入品に145%の関税を課し、中国が対抗して米製品に125%の関税をかけて以来、両国政府の関係者らが顔を合わせて協議するのは初めてだった。

極めて高率の関税は、金融市場を混乱させ、世界的な景気後退の懸念を引き起こしている。

12日、中国と香港の株式市場は上昇した。米株式市場でも上昇が見込まれている。中国の人民元は米ドルに対し上昇した。

協議終了後の説明

11日に協議が終了した後、アメリカの通商代表部のジェイミーソン・グリア代表は、「中国のパートナーとの合意」が、アメリカの貿易赤字1.2兆ドル(約175兆円)の削減に役立つと述べた。

ベッセント財務長官は、米中両国が貿易戦争の緩和に向けて「大きな進展」を遂げたと述べた。

トランプ氏は、初日10日の協議が終わった後に、両国関係が「完全にリセット」されたとソーシャルメディアで称賛していた。協議は「非常に良い」もので、「友好的だが建設的な方法で」変更について話し合われたとした。

また、「私たちは、中国とアメリカ両国のために、中国がアメリカのビジネスに対して開放されることを望んでいる。大きな進展があった!!!」と付け加えた。

一方、中国の何副首相は11日、今回の協議は「両国にとって大きな意義があり、世界経済の安定と発展にも重要な影響を与える」と述べた。

何氏はまた、両国が一連の主要な合意に達し、経済と貿易を協議するメカニズムの整備でも合意したとした。

識者の見方

世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長は11日、今回の協議を「大きな前進」と評価するとともに、米中両国に「この勢いを利用する」よう促した。

米商務省でかつて国際貿易担当次官を務めたフランク・ラヴィン氏は、12日の発表には関税の引き下げが含まれる可能性があると、BBCの番組「ビジネス・トゥデイ」で話していた。関税は「歴史的基準をはるかに上回る」水準のままになるだろうが、それでも両国が関税を引き下げることを期待していると、同氏は述べた。

国際商業会議所のアンドリュー・ウィルソン事務総長代理は、週末に出された両国のコメントは「非常に前向き」だったとしながらも、関税が20%を超えたままなら、「国際貿易の流れに深刻な混乱をもたらすだろう」と主張。現在の関税水準を大幅に引き下げる必要があるとした。

シンガポールのヒンリッヒ財団の貿易政策部門トップ、デボラ・エルムス氏は、いわゆる相互関税について「対処される可能性はあるが、おそらくされないだろう」とし、「せいぜい話し合いを続けることで合意した程度ではないか」とBBCの番組「ニュースデー」で語った。

各国への関税について発表するトランプ米大統領(4月2日)

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中国がアメリカとの協議に応じたのは、世界的な期待や自国の利益、米企業などからの訴えを十分に考慮した結果だと、中国国営メディアは伝えていた。

BBCは先月、中国の輸出企業がアメリカの関税に苦しんでいる状況を報じた。ある企業は、通常なら製品の半分はアメリカに販売しているが、現在は中国の倉庫で箱に入れたまま置かれているとした。

一方、アメリカでは1~3月期の国内総生産(GDP)成長率が、年率で前期比0.3%縮小した