アメリカと中国、週内に協議へ 貿易戦争の緩和に向けスイスで

貿易港に着岸しているコンテナ船と、港に並べられているコンテナの写真

画像提供, Getty Images

ピーター・ホスキンス・ビジネス記者、ローラ・ビッカー中国特派員

アメリカと中国の政府高官が今週、スイスで会合を開き、激化する貿易戦争の緩和に向けた協議を開始する見通しとなった。

中国外務省によると、会合は9日から12日までの予定で、中国からは何立峰副首相が出席する。

一方、アメリカ側は、スコット・ベッセント財務長官と通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表が出席する予定だとしている。

ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスに復帰して以降、アメリカは中国製品に最大145%の新たな輸入関税を課している。これに対抗して中国も、アメリカ製品の一部に最大125%の報復関税を課している。

国際貿易の専門家らは、両国の交渉が数カ月続く可能性もあると、BBCに話した。

今回の会合は、今年1月に中国の韓正国家副主席がトランプ大統領の就任式に出席して以来の、両国による高官レベルの直接対話となる。

ベッセント長官は、国際経済システムの再均衡を図り、アメリカの利益により適した形にすることを目指すと述べた。

「今回の協議は大規模な貿易協定ではなく緊張緩和が目的だと思う。前に進むにはまず緊張を取り除く必要がある」と、ベッセント氏はFOXニュースのインタビューで語った。

一方、中国商務省の報道官は7日朝、「アメリカが交渉によって問題を解決したいのであれば、一方的な関税措置が自国および世界に与える深刻な悪影響を直視すべきだ」と述べた。

中国国営メディアは、中国政府がアメリカとの交渉に応じると決めた背景には、国際社会の期待や自国の利益、そしてアメリカ企業からの要望を総合的に考慮した結果だと報じた。

また、中国は協議に前向きであるとしつつも、貿易戦争を継続すると決定した場合には「最後まで戦う」と改めて強調したと伝えた。

米中の貿易戦争は、世界の金融市場に混乱をもたらし、国際貿易全体に衝撃を与えている。

専門家は協議の長期化を懸念

BBCの取材に応じた2人の貿易専門家は、今回の協議について、少なくとも初期段階においては大きな期待は寄せていないと語った。

ヒンリッチ財団の貿易政策部門責任者を務めるデボラ・エルムズ氏は、「どこかから(交渉を)始めなければならないので、意味がないとは言わない。ただ、人々が期待するような開幕イベントにはならないだろう」と述べた。

また、シンガポール経営大学の法学教授で、かつて世界貿易機関(WTO)事務局で中国側の法律顧問を務めたヘンリー・ガオ氏は、「2018年と同様、行ったり来たりの応酬が続くだろう」と指摘し、「交渉は数カ月、あるいは1年以上かかる可能性もある」と述べた。

米中間の協議開始に関する報道に加え、中国当局が発表した経済支援策への期待感を背景に、7日の中国と香港の金融市場は上昇した。

アメリカの株価指数先物も上昇した。先物取引とは、将来の日時を指定して特定の資産を売買する契約であり、市場の見通しを反映している。

投資家の関心は、同日午後に予定されているアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の最新の金利発表にも向けられている。

追加取材:ビアンカ・マスカレンハス