中国、2035年までに温室効果ガス排出7〜10%削減と 具体的な目標は初

画像提供, European Photopress Agency
マーク・ポインティング記者、マット・マクグラス記者(気候変動・科学担当)
地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの最大の排出国である中国が24日、排出量削減に向けた目標を初めて掲げた。
習近平国家主席は、米ニューヨークで開かれた国連総会に向けた動画の中で、中国が2035年までに経済全体の温室効果ガス排出量を7〜10%削減すると述べ、「より良い成果を目指す」と語った。
この発表は、アメリカが気候変動対策の公約を後退させている中で行われた。ドナルド・トランプ大統領は23日、国連での演説で「気候変動は詐欺だ」と発言している。
他方で、中国の計画が、地球規模の気候目標の達成に向けて期待されていたほど踏み込んだ内容ではないと指摘する声も出ている。
グリーンピース東アジアの姚喆グローバル政策顧問は「あまり期待していなかった人々にとってさえ、きょう示された内容は依然として不十分だ」と述べた。
今年は11月にブラジルで、気候変動に関する世界で最も重要な会議である「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)」が開催される。しかし、ニューヨークで開かれている国連総会は、各国が新たな気候計画を提出する時間が残り少ないことから、特別な重要性を持っている。
これらの計画は5年ごとに提出されるもので、地球温暖化の抑制を目指して約200カ国が合意したパリ協定の重要な柱となっている。
2035年までの排出削減を対象とする新たな公約の当初の提出期限は今年2月だったが、各国は現在、9月末までの提出に向けて対応を急いでいる。
会議に先立ち、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、これらの誓約が、パリ協定で合意された、長期的な地球の気温上昇を1.5度未満に抑える目標の達成に極めて重要だと述べた。
「各国には(中略)1.5度に完全に整合した気候行動計画を持ってきてもらう必要がある。計画は経済全体と温室効果ガス排出の全体を網羅していなければならない」と、グテーレス氏は語った。
さらに、「1.5度の上昇制限を維持したいのであれば、今後数年間で排出量を大幅に削減することが不可欠だ」と強調した。

世界最大の排出国である中国の計画は、この目標の達成を視野に入れる上で重要な鍵となっている。
2021年当時、習主席は、中国が今後10年以内に排出量のピークを迎え、2060年までに「カーボンニュートラル(炭素中立)」を達成することを目指すと発表していた。
今回の誓約は、中国がこの道筋の中で、実際の排出削減目標を初めて設定したものだ。
「これらの目標は、パリ協定の要件に基づく中国の最大限の努力を示すものだ」と習主席は述べた。
また、この誓約は二酸化炭素(CO2)だけでなく、すべての温室効果ガスを対象としており、排出量の「ピーク水準」からの削減として測定される。ただし、習主席はそのピークの時期については明言していなかった。
習氏はこのほか、中国が風力および太陽光発電の設備容量を2020年の水準の6倍以上に拡大することや、森林蓄積量を240億立方メートル以上に増加させること、「新エネルギー車」を新車販売の主流とすることを発表した。
1.5度の目標には程遠く
中国の排出量は非常に大きいため、いかなる削減であっても気候の観点からは重要な意味を持つ。
2023年、中国は地球温暖化を引き起こす排出量の4分の1以上を占め、CO2換算で約140億トンを排出した。
中国が排出量を10%削減すれば、年間14億トンの削減となる。これはイギリスの年間排出量の約4倍に相当する。
それでも、中国の新たな目標は、国際的な気候目標の達成に必要とされる水準には達していない。
「30%未満の削減では、1.5度の目標に確実に整合していない」と、エネルギー・クリーンエア研究センターの主席アナリスト、ラウリ・ミリビルタ氏は述べた。
同氏は、気温上昇を1.5度、あるいは2度を大きく下回る水準に抑えるための多くのシナリオでは、中国が2035年までにそれ以上の大幅な削減を行う必要があると指摘した。多くの場合、50%以上の削減を意味するという。
これは、気候目標の達成に必要な取り組みと、各国が計画している内容との間に、依然として大きな隔たりがあることを示すさらなる証拠だ。
ストックホルム環境研究所が今週初めに発表した報告書は、各国政府が、2030年に必要とされる水準の2倍以上の化石燃料を生産する計画を立てていると警告している。
再生可能エネルギーの拡大
一方で、中国がこれまでに多くの国際的な気候公約を上回る成果を挙げてきた実績があることに、一部のオブザーバーは希望を抱いている。
たとえば、中国は2030年までに風力および太陽光発電の設備容量を1200ギガワットに到達させることを誓約していたが、この目標は2024年に、6年早く達成された。

「これらの目標は、上限ではなく下限として捉えるべきだ」と、米シンクタンク「アジア・ソサエティ政策研究所」中国気候ハブの李碩ディレクターは述べた。
「中国での急速なクリーンテクノロジーの成長は(中略)今後10年間でさらに同国を前進させる可能性がある」と、李氏は付け加えた。
英シンクタンク「王立国際問題研究所(チャタムハウス)」特別研究員で上級顧問のバーニス・リー氏も、「中国の2035年目標は、国内のエネルギー転換の速度を反映しているとは言えない」と同意した。
「中国政府がより野心的な目標を掲げていれば、世界的な称賛を得られたはずであり、それはアメリカとの鮮明な対比となっただろう」
中国は再生可能エネルギーを拡大する一方で、依然として最も汚染度の高い化石燃料である石炭に大きく依存している。
昨年、中国の石炭による発電量は過去最高を記録した。ただし、初期データによれば、2025年上半期には太陽光発電の急増により減少しているとみられる。
「中国の排出量が頭打ちになっているという証拠も増えており、今年の排出量は2024年よりも低くなると予測されている」と、李氏は述べた。
李氏は、今回の新たな目標について、「数十年にわたる急速な排出量増加の後の、脱炭素化の始まりを示すものだ」と付け加えた。











