米フロリダ州のトランプ氏邸敷地に銃を持った男性が侵入、警護隊が射殺 トランプ氏は不在

芝生にヤシの木が並ぶ整備された敷地に、オレンジ色のかわら屋根の建物がたっている。

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画像説明, 米フロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領の私邸「マール・ア・ラーゴ」(2022年9月撮影)
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アメリカの大統領警護隊(シークレットサービス)は22日、米フロリダ州にあるドナルド・トランプ大統領の私邸兼リゾート「マール・ア・ラーゴ」の敷地内に武装した男性が侵入したため、射殺したと発表した。トランプ氏は当時、首都ワシントンにいた。

発表によると、22日午前1時半(日本時間同日午後3時半)ごろ、ショットガンと燃料の入った容器を所持していた男性を、シークレットサービスと副保安官が制止し、射殺したという。

シークレットサービスのアンソニー・グリエルミ報道官はソーシャルメディア「X」への投稿で、警護隊員らが「今朝早く、マール・ア・ラーゴの警備区域に不法侵入する」容疑者を確認した後、発砲したと明らかにした。

シークレットサービスは声明で、「(容疑者が)マール・ア・ラーゴの北門近くで、ショットガンと燃料缶のようなものを所持しているのを目にした」と述べた。

パームビーチ郡のリック・ブラッドショー保安官は記者会見で、男性が命令に従わなかったため射殺したと述べた。

「我々が彼に言った言葉は、『手にしている物を放せ』だけで、それはガソリン缶とショットガンを意味した」と保安官は説明。「その時点で彼はガソリン缶を地面に置き、ショットガンを射撃姿勢に構えた」のだという。

隊員たちはそこで、「脅威を無力化する」ために発砲したのだと、保安官は話した。

隊員たちはボディカメラを着用しており、当局側に負傷者はいなかったという。

ブラッドショー保安官は、容疑者の銃に弾が入っていたかどうかは不明で、その点も捜査の一環になると話した。連邦捜査局(FBI)が捜査を支援する予定だという。

BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、射殺されたのはノースカロライナ州キャメロン在住のオースティン・T・マーティン容疑者という。

同州ムーア郡の保安官事務所はBBCに対して声明で、容疑者の家族が22日未明に、容疑者が行方不明だと当局に届けていたと明らかにした。行方不明者に関する情報はその後、連邦当局に提供したという。

保安官事務所によると、マーティン容疑者については過去の記録はなく、同事務所は現在の捜査にもかかわっていないという。

CBSによると、容疑者がノースカロライナからフロリダへ向かう途中で銃を購入した可能性を、当局は調べている。

車内で撮影したように見える若い白人男性の写真。薄い色のサングラスをかけ、灰色のジャケットを着て、カメラに向かって横目でかすかにほほえんでいる。

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画像説明, 親族がソーシャルメディアに投稿した、オースティン・T・マーティン容疑者の写真。米CBSニュースによると、行方不明だと家族が届け出をしていた

シークレットサービスは同日、ショーン・カラン長官が「重要事件への運用上の連絡および機関の対応を再活性化した」とXで書いた。長官は「事後対応」のためフロリダ州へ向かったという。

マール・ア・ラーゴは厳重に警備されており、外側の警備は地元パームビーチ保安官が、内側はシークレットサービスが、それぞれ担当している。訪問者は身体検査を受け、車両や荷物は犬と金属探知機による検査を受ける。

トランプ氏はこれまで繰り返し、暗殺計画の対象にされてきた。

トランプ氏は2024年7月、ペンシルヴェニア州バトラーの支持者集会で耳を撃たれた。聴衆の1人が死亡し、2人が負傷した。20歳ダッタマシュー・クルックス容疑者はその場で警備当局に射殺され、動機は不明のままだ。

同年9月には、フロリダ州ウェストパームビーチのトランプ・インターナショナル・ゴルフクラブで、茂みの中からライフル銃の銃身がのぞいているのをシークレットサービスの隊員が発見した。現場から逃走したライアン・ルース被告(59)は間もなく逮捕され、今月初めに大統領暗殺未遂の罪で終身刑を言い渡された。

マール・ア・ラーゴで今回の事件が起きた後に米FOXビジネスに出演したスコット・ベッセント財務長官は、2024年に2度起きた暗殺未遂を挙げ、「政治左派が政治的暴力を『正常化』している」と非難した。

「暗殺者になろうとした2人は死に、1人は終身刑になり、向こう側からは毒々しい発言が続いている、「彼らはこの暴力を正常化している。止める必要がある」と長官は述べた。

アメリカでは政治に関連する暴力が、大きな問題になっている。昨年には、ペンシルヴェニア州のジョシュ・シャピロ州知事(民主党)が家族と暮らす知事公邸が放火され、ミネソタ州では州議会の議長と議員(共に民主党)、ならびにそれぞれの家族が襲撃され死傷した。右派活動家チャーリー・カーク氏は、公衆の面前で射殺された。