米軍がまたも太平洋で「麻薬船」を攻撃、4人殺害 ヘグセス長官が発表

機密扱いではないとの文字が表示されている画像。海上で船が攻撃されているとみられる

画像提供, Pete Hegseth X account

画像説明, ヘグセス米国防長官は、小型船を攻撃した映像をXに投稿した

マックス・マッツァ

アメリカのピート・ヘグセス国防長官は29日、東太平洋で違法薬物を運んでいたとみられる小型船を米軍が攻撃し、4人が死亡したとXで発表した。

ヘグセス氏は投稿で、「本日、トランプ大統領の指示により、戦争省はまた別の麻薬密輸船に対して強力な動的攻撃を実施した」とした。

大統領の指示による今回の攻撃は、太平洋とカリブ海を経由する麻薬のアメリカ流入を阻止するとしてホワイトハウスが打ち出しているキャンペーンが激しさを増していることを示している。

ヘグセス氏の投稿には、米軍の爆撃を受けた船が炎上する様子とみられる映像も含まれていた。

ヘグセス氏は、「西半球はもはや、アメリカ人に毒を盛ろうと麻薬を運び込むナルコテロリスト(麻薬を密輸・売買するテロリストの意味)にとって安住の地ではない」、「戦争省は、彼らがどこで活動しようとも追い詰め、排除し続ける」と書いた。

また、攻撃は国際水域で実施され、米軍関係者に被害はなかったと付け加えた。

アメリカへ密輸されるコカインの運搬ルートを示す地図。米麻薬取締局によると太平洋経由が74%、西カリブ海経由が16%、カリブ海経由が8%だという

米軍のこうした攻撃で、過去2カ月間に少なくとも60人が殺害されている。これを受け、アメリカと、コロンビアやヴェネズエラ両国の間で緊張が高まっている。

一連の攻撃は中南米で非難されている。法律の専門家らも合法性を疑問視している。米議会の民主・共和両党の議員も懸念を表明しており、攻撃を命じる権限が大統領にあるのか疑う声も出ている。

アメリカはカリブ海で、軍艦、戦闘機、海兵隊、偵察機、爆撃機、ドローンなどの戦力を着々と増強している。世界最大の軍艦「ジェラルド・R・フォード」も派遣している。

トランプ氏は、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を、麻薬密売組織のリーダーだと非難している。マドゥロ氏はこれを否定している。ヴェネズエラでは、米軍がトランプ氏の長年の政敵であるマドゥロ氏の失脚を目的に、周辺海域で戦力を増強しているのではないかとの懸念が出ている。

ヴェネズエラの司法長官はBBCの取材で、トランプ氏がヴェネズエラの体制転換を狙っていることに「疑いの余地はない」と述べている。また、金や石油、銅といったヴェネズエラの天然資源をアメリカが奪おうとしていると非難している。

アメリカなど多くの国は、2024年のヴェネズエラ大統領選が自由かつ公正に行われなかったとして、マドゥロ氏を同国の正当な指導者として認めていない。ヴェネズエラの野党による投票所での独自集計では、野党候補が圧勝していたことが示されている。