トランプ米大統領、中国との貿易枠組み合意は「成立した」 レアアース供給されると

アメリカのドナルド・トランプ大統領

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ドナルド・トランプ米大統領は11日、米中の高官が貿易摩擦を緩和するための枠組みに原則合意したことについて、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「合意は成立した」と言及した。

トランプ氏は「中国との合意は成立した。習近平国家主席と私の最終承認を条件としている」と投稿した。

トランプ氏によると、中国はアメリカ企業に対し、磁石やレアアース(希土類)を供給することで合意した。一方、アメリカ側は中国人留学生のビザ(査証)を取り消すとした脅しを撤回する方針だという。

アメリカと中国は10日、ロンドンで2日間にわたる集中的な協議の結果、この枠組み合意に達した。世界最大の経済大国同士の貿易は今年に入り、関税引き上げの応酬からほぼ停止状態に陥っていた。その後、5月にスイスで協議を行い、貿易関税をめぐる一時的な「休戦」に入っていた

だが、今回の発表内容が限定的だったことは、ホワイトハウスが直面している課題、すなわち関税戦略が迅速に実効性のある貿易合意に結びつくのかという疑問を浮き彫りにした。

こうしたなか、アメリカのスコット・ベッセント財務長官は、他国との貿易協議を継続するため、アメリカが一部の強硬な関税措置の凍結を延長する見通しだと述べた。

「非常に限定的な内容」と専門家

今回の協議は、5日に行われたトランプ大統領と習国家主席との電話会談を受けて実施された。

関係者によると、今回の合意は5月に成立した「休戦」の大枠を変更するものではない。この時、両国は互いに関税の一部を引き下げたが、完全には撤廃していない。

中国の李成鋼商務次官は「両国は、6月5日の電話会談で両首脳が達成した合意およびジュネーヴ会議での合意を実行に移すための枠組みに、原則として合意した」と述べた。

アメリカのハワード・ラトニック商務長官も記者団に対し、「我々はジュネーヴでの合意の実施に向けた枠組みに到達した」と語った。

ラトニック氏は11日、アメリカの経済専門局CNBCの番組に出演し、「今回の協議でジュネーヴ合意の整理が進んだ」と述べた。

「我々は完全に正しい方向に進んでいる。非常に良い感触を得ている」

ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は、トランプ大統領が現在、合意の詳細を精査していると明らかにした。その上で「大統領は、聞いた内容に好感を持っている」と述べた。

今回のロンドンでの協議は、アメリカ側の、スマートフォンから電気自動車(EV)に至るまで、あらゆる製品の製造に必要なレアアース金属や磁石の輸出を中国が遅らせているという主張から始まった。

一方、アメリカは中国に対し、半導体や人工知能(AI)関連技術を含むアメリカ製品へのアクセスを制限している。

ラトニック商務長官はCNBCのインタビューで、アメリカが一部の「対抗措置」を撤回することで合意したと述べたが、具体的な内容には言及しなかった。

一方、ベッセント財務長官は11日に議会公聴会で、今回の協議は限定的な範囲にとどまっており、より包括的な合意には時間がかかるとの見通しを示した。

「これははるかに長期的なプロセスになる」と、ベッセント氏は述べた。

同じ公聴会で同氏は、他国との貿易協議が政権が自ら設定した90日間の期限を超える可能性が高いと認めた。

「誠実に交渉を進めている国や、欧州連合(EU)のような貿易圏については、期限を延長して交渉を継続する可能性が高い。交渉の意思が見られない相手には延長しない」

今年初め、トランプ米大統領が複数の国からの輸入品に対して大規模な関税措置を発表した際、最も大きな影響を受けたのが中国だった。これに対し中国は、アメリカからの輸入品に対して報復的に関税を引き上げ、関税のかけ合いに発展。税率は最大で145%に達した。

5月にスイスで行われた協議では、両国が一時的な「休戦」に合意し、トランプ大統領はこれを「完全なリセット」と表現した。

この合意により、アメリカは中国製品への関税を30%に引き下げ、中国もアメリカ製品への関税を10%に削減。さらに、中国は重要鉱物の輸出に対する障壁を撤廃することを約束した。両国は90日以内に正式な貿易合意を目指すことで一致した。

トランプ氏は「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、中国製品に対する関税を55%に設定すると述べた。だが関係者によると、この数字には第1期政権で導入された関税も含まれているという。

市場は今回の合意に対してほとんど反応を示さなかった。米首都ワシントンに拠点を置く政策コンサルティング会社パンゲア・ポリシーの創業者テリー・ヘインズ氏は、この合意は「非常に限定的な内容であり、未完成の状態だ」と指摘した。

「ジュネーヴでの『休止』を再び軌道に乗せたことは、最小限の成果にすぎず、米中間で包括的な貿易合意や地政学的な和解が近づいているとは言い難い」と、ヘインズ氏述べた。