中国、対米報復関税を発動 石炭やLNGなど

多くのコンテナを積んだ貨物船

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画像説明, 中国はレアメタル25種の輸出規制もしている

中国は10日、一部のアメリカ製品対する報復関税を発動した。世界2大経済大国による貿易戦争は激しさを増している。ドナルド・トランプ米大統領は、さらに多くの国に関税を課すと脅している。

アメリカは今月4日、すべての中国製品に10%の追加関税を課した。その直後、中国が報復関税の計画を発表していた。

中国の最新の関税は、アメリカの石炭と液化天然ガス(LNG)製品の輸入に対する15%の国境税を含む。また、アメリカの原油、農業機械、大型エンジン車にも10%の関税をかける。

中国はアメリカについて、中国に対する追加関税を正当化するために、合成麻薬フェンタニルの取引における中国の役割について「根拠のない虚偽の主張」をしていると、追加関税の発動翌日に非難していた。

また、アメリカの関税は「差別的で保護主義的」であり、貿易のルールに違反しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴している。

だが専門家らは、紛争の解決に当たるWTOの委員会が機能しない状態にあることから、中国が有利な決定を得る可能性は低いとしている。

トランプ氏はここ数日、中国の習近平国家主席と電話で協議するとみられていた。だがその後、会談を急ぐ必要はないと発言している。

米シンクタンク「戦略国際問題研究所」で中国のビジネスと経済を研究しているスコット・ケネディ氏は、「中国は(トランプ氏の大統領1期目より)ずっと準備が整っている」と話した。

「景気は循環によってかなり減速しているが、技術力は以前より格段に向上しており、貿易や投資の相手も多様化させている」

中国当局は先週、米テクノロジー大手グーグルに対して独占禁止に関する調査を開始した。また、デザイナーズブランドのカルバン・クラインやトミー・ヒルフィガーを所有する米PVHを、「信頼できない企業」リストに加えた。

中国はさらに、電気製品や軍事機器の主要部品となる中国産レアメタル(希少金属)25種について、輸出規制をかけている。

アメリカはすべての鉄鋼とアルミにも関税

アメリカンフットボールのスーパーボウルの開催地に向かうエアフォース・ワン(大統領専用機)の中で、トランプ氏は他の国にも報復的な関税をかける考えを記者団に語った。ただ、どの国を対象にするのかは明言しなかった。

トランプ氏は2日、欧州連合(EU)製品への関税は「近いうちに」発動する可能性があるとBBCに話した。一方で、イギリスとの間では、取引が「実現される」可能性があるとした。

相互的な関税措置は、米製品に関税をかける国の製品に対しては同じ税率の関税を課すという、大統領選挙での自らの公約を実現するものだ。

トランプ氏は先月20日に大統領に就任してから、多くの措置を取っている。ただ、変更されたものもある。

トランプ氏は7日には、中国からの小包に対する関税を一時停止した。この関税は、中国製品に対する10%の追加関税とともに4日に発動していた。

停止措置は、「関税収入を完全かつ迅速に処理・徴収するための適切なシステムが整う」まで継続するとしている。

トランプ氏の命令を受け、アメリカは800ドル(約12万2000円)未満の品物に対する免税措置を終了させていた。そのため、アメリカの郵便公社(USPS)やその他の機関は大あわてで対応していた。