ハマスが新たに1人の遺体を返還、人質の捜索は今も難航

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イスラエルは27日、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが拘束していた人質の遺体が入っているとする棺(ひつぎ)を、赤十字を通じて受け取ったと発表した。
イスラエル国防軍(IDF)は、部隊がその棺をガザからイスラエルへと持ち帰り、遺体の身元確認のために法医学的検査を行う予定だと述べた。
この遺体が人質のものだと確認されれば、ハマスは、2週間前に停戦が始まる前にガザにあるとされたイスラエル人および外国人の人質の死者28人の遺体のうち、16人の遺体を返還したことになる。
イスラエルは26日、人質の遺体捜索のため、エジプトと赤十字国際委員会(ICRC)のチームがガザに入ることを許可した。また、ハマスのメンバー1人についても、捜索を支援するためにIDFが管理する地域に入ることを許可した。
イスラエルは、ハマスがすべての人質の遺体を返還しておらず、停戦合意に違反していると非難している。
一方ハマスは、合意を順守していると主張。2年間にわたる戦争で生じたがれきの下に埋もれた遺体を発見するには支援が必要だとしている。
イスラエル政府のショシュ・ベドロシアン報道官は27日午後の記者会見で、「赤十字、エジプトの技術チーム、そしてハマスの関係者1人が、IDFのガザにおける『イエローライン』の内側に、IDFの厳重な監視のもとで入ることを許可された」と説明した。「イエローライン」とは、ガザ北部、東部、南部で設定された、停戦合意の第1段階におけるイスラエル軍の撤退ライン。
また、エジプト側が「トラクター型車両」を含むさらなる機材を搬入する予定だとも、同報道官は述べた。
前日の26日には、捜索活動では2〜3台の掘削機と、同等数のトラックを使用していると述べていた。

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10月10日に停戦が発効した直後、存命のイスラエル人の人質20人全員が、パレスチナ人の囚人250人およびガザで拘束した1718人との交換で解放された。
イスラエルはまた、ハマスが以前に返還したイスラエル人の人質13人の遺体と外国人の人質2人(タイ人とネパール人)の遺体と引き換えに、パレスチナ人195人の遺体を引き渡していた。
27日夜の引き渡し前の段階で、ガザに残されている死亡した人質13人の内訳は、イスラエル人が11人、タンザニア人が1人、タイ人が1人となっていた。
ベドロシアン報道官は、「ハマスは人質たちの所在を把握している。彼らを帰国させる以外に選択肢はない」と述べた。
合意の第2段階にも影響か
イスラエル人の人質家族でつくる「人質・行方不明者家族フォーラム」は、ハマスにすべての遺体を引き渡させるために、即時の対応を要求した。これには、アメリカのドナルド・トランプ大統領が仲介したガザ和平案の第2段階を遅らせることも含まれている。
同フォーラムは声明で、「家族たちは、ハマスがすべての義務を果たすまで、イスラエル政府、アメリカ政府、そして仲介者に対し、合意の次の段階に進まないよう強く求める」と述べた。
イスラエルメディアは先に、治安当局者の話として、トランプ政権はすべての人質が発見されていなくても第2段階に進むことを望んでいると報じていた。
一方、ハマスの交渉責任者であるハリル・アル・ハイヤ氏は26日の声明で、イスラエル軍が「ガザの地形を変えた」ため、ハマスが「困難」に直面していると述べた。
さらに、「遺体を埋葬した者の一部は、殉教したか、あるいはどこに埋めたかをもはや覚えていない」とも付け加えた。
ガザに残されている死亡した人質のうち1人を除く全員が、2023年10月7日にハマス主導で行われたイスラエル南部への攻撃の際に拉致された251人に含まれていた。この攻撃では、約1200人が殺された。
イスラエルはこの攻撃を受けてガザでの軍事作戦を開始。ハマスが運営するガザの保健省によると、これまでに6万8500人以上が殺されている。











