英国王、分断された世界での結束を呼びかける クリスマス恒例メッセージ

ダークなピンストライプのスーツに淡い青のネクタイとポケットチーフを合わせた国王が笑顔を見せている。背景にはクリスマスツリーの電飾がぼんやりと見える

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画像説明, クリスマスのメッセージを述べるイギリスのチャールズ国王

イギリスで25日、チャールズ国王の恒例のクリスマスメッセージがテレビ放送された。国王は、戦時中の精神を呼び起こし、分断が進む世界での地域社会の結束を呼びかけ、人々に「隣人を知る」よう訴えた。

2年目となるクリスマスの演説は、王宮から離れたウェストミンスター寺院で収録された。

その中で国王は、分断をなくすことの重要性を強調。「大きな困難に直面して地域社会が団結してきた」価値観を私たちは「決して見失ってはならない」と呼びかけた。

「異なる信仰を持つ人々に会うと、私たちがどれほど多くの共通点を持っているかがわかり、非常に勇気づけられる」

「コミュニティーの多様性によって、私たちは正義が悪に打ち勝つための強さを見いだすことができる」

放送では、ヨーロッパと極東における第2次世界大戦の終結から80年を記念する今年の記念式典の写真が映し出された。国王は、戦争世代の「勇気と犠牲」や逆境での結束力を称賛し、その精神が現在も大事だと訴えた。

「これらの価値観が私たちの国を形成してきた」

「国内外で分断が叫ばれるなか、そうした価値観こそ、私たちは決して見失ってはならない」

礼拝堂の内部。天井はアーチ型で高い。両側には色鮮やかな紋章旗が飾られている

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画像説明, 今年の演説はウェストミンスター寺院の聖母礼拝堂で収録された

国王はまた、オーストラリア・ボンダイビーチで起きた銃撃事件などの緊急事態で人々が見せた「自発的な勇気」をたたえた。

「個人やコミュニティーが、他者を守るために本能的に危険な状況に自らの身を置くという、自発的な勇気を示した」

放送では、国王が襲撃事件があったマンチェスターのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)を訪れ、襲撃者を止めようとした信者らと会っている写真も映された。

自身の健康状態については言及しなかった。国王は最近、自らのがん治療が来年には縮小されるとの「良い知らせ」があるとするビデオメッセージを収録した

国王はこの日、演説の放送の前に、ノーフォークのサンドリンガム邸の敷地にある聖メアリー・マグダレン教会で開かれた、クリスマスの賛美歌の演奏と祈りによる礼拝に王室メンバーらと参加した。終了後、メンバーらは集まった人々と交流した。