アメリカ、ロシア産原油の制裁緩和を発表 イラン攻撃による価格高騰受け

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アメリカは12日、制裁対象としているロシア産原油および石油製品について、すでに海上輸送中のものに限り、約1カ月にわたり各国が購入することを認めると発表した。米・イスラエルとイランの戦闘に伴う原油価格高騰に対処するのが狙い。アメリカは、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシア産エネルギーを標的とした制裁措置を科してきたが、これを緩和するかたちになる。
スコット・ベッセント米財務長官は、戦時下の「世界のエネルギー市場の安定化を促進する」ための一時的措置だと説明。海上輸送中のロシア産原油の購入を、4月11日まで認めるとした。
「対象を絞った、この短期的措置は、既に輸送中の原油にのみ適用される。ロシア政府に大きな金銭的利益をもたらすことはない」と、ベッセント氏は述べた。
湾岸地域の船舶やエネルギーインフラへの攻撃、そして海上輸送に不可欠なホルムズ海峡の事実上の封鎖は、世界のエネルギー市場を揺るがしている。
同地域で新たに3隻の貨物船が攻撃されたことを受け、原油価格は12日に1バレル100ドル台に再び上昇。一方で、株式市場は下落した。イランの新たな最高指導者は、ホルムズ海峡の封鎖を続けるとしている。
世界の石油供給は平時、約2割がこの狭いホルムズ海峡を通過する。
アジア市場では13日、ブレント原油が0.3%安の1バレル100.13ドルと、原油価格は下落した。米市場では0.7%安の95.01ドルとなった。
今週のエネルギー価格の急騰を受け、当局は対策に乗り出している。
国際エネルギー機関(IEA)は11日、加盟各国が過去最大量の計4億バレルの石油備蓄を協調放出すると発表した。
湾岸諸国の石油を主に購入するアジア各国の政府もここ数日、相次いで対策を打ち出している。
原油の約95%を中東から輸入するフィリピンの大統領は、燃料節約のため、勤務日数を週4日に減らすよう公務員に指示した。
こうした中、日本、韓国、タイはガソリン価格の上限を設定するとしている。日本の高市早苗首相は11日、ガソリンの小売価格を全国平均で1リットル170円程度に抑制するための措置を講じると述べた。
ベッセント米財務長官は、「一時的な石油価格の上昇は、短期的かつ一過性の混乱だ。長期的には、わが国と経済に多大な利益をもたらすことになる」と述べた。
同長官はこれに先立ち、米政府が「軍事的に可能になり次第」、ホルムズ海峡を航行する船舶の護衛を開始すると述べていた。
軍による護衛の必要性は「当初から我々の計画に織り込み済みだった」と、ベッセント氏は英スカイニュースに語った。
数日中にこうした対応が開始されるのかとの質問には、「安全な航行が確保できる状態になればすぐに実施する」と答えた。











