ホルムズ海峡で複数の船舶に攻撃、日本船籍のコンテナ船も

画像提供, イラク港湾公社/ロイター
複数の国の港湾当局は11日、ペルシャ湾やホルムズ海峡で複数の船舶が「不明の飛翔(ひしょう)体」によって被弾したと明らかにした。同海峡は石油輸送の要衝。同日には国際エネルギー機関(IEA)が、「前例のない」状況を受けて4億バレルの原油備蓄の放出を加盟32カ国が全会一致で決定したと発表した。
イラク港湾公社などによると、11日にはペルシャ湾でタンカー2隻が爆発した。イラクのウンム・カスル港の近くで起きた爆発で、1人が死亡し、38人が救出されたという。
ロイター通信と米CNNは、爆発物を乗せた複数のイランのボートが爆発を引き起こした様子と伝えている。
船舶追跡サイトは、攻撃された可能性のあるタンカー2隻の周りに救助ボートが集まっている様子を示している。
イラク当局によると、タンカー攻撃を受けて同国の石油積出港が全面的に操業を停止した。
英海上貿易業務調整機関(UKMTO)によると、これに先立ち、貨物船が3隻被弾した。1隻はタイ船籍で、オマーンの北11カイリに位置していた。船内で火災が発生したが、タイ海軍が乗組員23人を救助した。
イランは、この攻撃は自分たちによるものだと主張し、乗組員が警告を無視したのだと述べている。
2隻目は日本船籍のコンテナ船で、アラブ首長国連邦(UAE)沖25カイリで被弾し、軽微な損傷を負った。3隻目はドバイ北西約50カイリで被弾した。
11日の攻撃後、イラン政府のエブラヒム・ゾルファカリ報道官は、「地域の安定を損なったのはそちらだ。石油価格はこの地域の安定に依存するものなので今後、1バレル200ドルになると覚悟しておくように」と述べた。

画像提供, タイ海軍
イスラエルとアメリカが2月28日にイラン攻撃を開始して以降、重要な海上交通路のホルムズ海峡では緊張が高まっている。海上交通量は減少し、世界のエネルギー価格は急騰している。
イランは、アメリカとイスラエルおよびそのパートナー諸国へは、「一滴の石油」も海峡を通過させないと表明している。
戦争開始以降、湾岸周辺で操業する船舶がイランに攻撃されたと疑われる事案は、13件にのぼる。
主要7カ国(G7)首脳は11日、適切な安全条件が整った場合に「船舶護衛の可能性を検討する」と声明で述べた。
米中央軍は、ホルムズ海峡沿いのイランの港湾には軍事作戦拠点があるとして、民間人に接近を避けるよう警告した。

原油価格は依然として変動が激しく、11日には1バレル約92ドルとなった。9日には120ドル近くまで急騰した後、同日中に87ドルまで下落していた。
ドナルド・トランプ米大統領は11日、こうした価格変動は「戦争の一部」だと言い、その後には「原油価格はすでに下がり始めている」と述べた。
大統領はこれまで、湾岸の石油輸送を妨げるためにイランが海峡に機雷を敷設すれば「前例のない軍事的結果」に直面すると警告し、必要なら米軍が船舶を護衛すると述べていた。
IEAのファティ・ビロル事務局長は、全加盟国が計4億バレルの原油備蓄の放出に合意したのは、通常は世界の石油の約20%が通過するホルムズ海峡が「事実上閉鎖」されている状況を補うためだと述べた。
トランプ大統領はさらに、戦争終結に必要な条件は何かと記者団に質問され、イランでは「やるべきことはまだ終わっていない」と述べた。
一方、イスラエルは11日夜、イスラエルが支援するイスラム教シーア派組織ヒズボラの、レバノン国内での拠点を引き続き攻撃した。これは、イスラエルに向けてロケット弾が発射されたことへの報復だという。
これに先立ち、イランも湾岸地域に向けて、報復攻撃を重ねた。
イランは同日、報復攻撃の標的にはサウジアラビアの主要油田やドバイ国際空港が含まれていると発表した。
当局によると、空港付近で無人機2機を迎撃。4人が負傷した。
イスラム革命防衛隊(IRGC)も、カタール、クウェート、イラクの米軍基地への攻撃を含む「最も破壊的で最も重い作戦」を実施したと述べた。
サウジアラビアは、弾道ミサイル7発を迎撃し、油田に向かったドローン2機も阻止したと明らかにした。弾道ミサイルの大半は、プリンス・スルタン空軍基地に向かっていたという。
オマーンでは、国営メディアによると、サラーラ港にある複数の燃料貯蔵タンクがドローンに攻撃された。英海事警備会社アンブリーは、商業船舶に損害はなかったとロイター通信に話した。
イスラエル国防軍は11日朝、レバノンのベイルート南郊ダヒエ地区にある複数のヒズボラ司令拠点や武器庫を攻撃したと述べた。
レバノン保健省は同日、東部ベカー渓谷で複数の村が攻撃され、7人が死亡し、23人が負傷したと発表した。
同日にはイランのマスード・ペゼシュキアン大統領の息子が通信アプリ「テレグラム」で、イランの新しい最高指導者に選ばれて間もないモジタバ・ハメネイ師が負傷していると報じられたのを受け、「無事だ」と投稿した。
イスラエル高官はロイターに対し、アメリカとイスラエルの攻撃でモジタバ・ハメネイ師が軽傷を負ったとの判断を示した。一方、イランの駐キプロス大使は英紙ガーディアンに、最高指導者が負傷していると述べた。
モジタバ・ハメネイ師は、8日に最高指導者に選ばれて以来、声明を出しておらず、公の場にも姿を見せていない。












