イスラエルがガザ各地を攻撃、少なくとも32人死亡 地元当局が発表

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イスラエルは1月31日、パレスチナ・ガザ地区の各地を相次いで空爆した。一連の空爆で少なくとも32人が死亡したと、地元当局は発表した。
イスラム組織ハマスが運営するガザの民間防衛隊によると、犠牲者には複数の子どもと女性が含まれる。南部ハンユニスでは攻撃用ヘリコプターが、家を追われた人々が身を寄せていたテントを攻撃したという。
パレスチナ側は、和平計画の第2段階が発効した1月中旬以降で最も激しい攻撃だとしている。この和平計画は、アメリカのドナルド・トランプ大統領の仲介で昨年10月に合意に至った。
イスラエル国防軍(IDF)は、31日にガザへ複数の攻撃を行ったと認めた。ハマスが前日30日に合意に違反したことへの対抗措置だとしている。
イスラエルとハマスは昨年10月以降、停戦合意に違反したと互いを非難し合っている。
IDFは声明で、「ラファ東部の地下施設から出てきた8人テロリストを確認した」と説明した。ガザ南部ラファには、昨年10月の停戦合意に基づいてイスラエル軍が展開している。
IDFはイスラエル保安庁(ISA)と連携し、「指揮官4人やそのほかのテロリスト」、武器貯蔵施設、武器製造拠点、「ガザ中央部にあるハマスの発射台2カ所」を含む様々な地点にある標的を攻撃したとしている。
ハマスは空爆を非難し、アメリカに即時の対応を求めた。また、「こうした継続的な違反行為」は、イスラエル政府が「ガザに対する残忍なジェノサイド(集団殺害)戦争を継続している」ことを裏付けるものだと指摘した。
ハマスによると、犠牲者には、ハンユニスで避難生活を送っていた同じ家族の7人も含まれる。民間防衛隊の報道官は、複数の集合住宅やテント、避難所、警察署1カ所が空爆に直撃されたと述べた。
ガザ市では集合住宅が直撃を受け、子ども3人と女性2人が死亡したと、市内のアル・シファ病院の関係者は話した。
死亡した3人の子どものおじは、「小さいめい3人を路上で見つけた。『停戦』だとか言っているのに。あの子たちが一体何をしたというのか。私たちが一体何をしたというんだ」と述べたと、ロイター通信は伝えた。
ガザ各地で撮影された動画や画像では、がれきの中から運び出される遺体や、破壊された建物が多数確認できる。

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この日の空爆は、ガザ南部とエジプトを結ぶラファ検問所の再開を翌2月1日に控える中で起きた。検問所の再開は、ガザに残されていた最後の人質、ラン・グヴィリ氏(24)の遺体がイスラエルに戻り、和平計画の第1段階が求める人質全員の帰還が達成されたことを受けたもの。
AFP通信は、イスラエルのガザ攻撃を非難し、すべての当事者に「最大限の自制」を求めるエジプト外務省の声明を報じた。
停戦協議における主要な仲介役の一つであるカタールの外務省も、「繰り返されるイスラエルの違反行為」を非難した。
昨年10月にイスラエルとハマスが合意したガザ和平計画の第1段階では、一時停戦と、ガザに連れ去られた人質全員の解放、パレスチナ人囚人とガザ出身の拘束者の釈放、イスラエル軍の部分撤退、人道援助の搬入量の拡大が求められていた。
アメリカのスティーヴ・ウィトコフ特使が今年1月14日に開始を発表した、第2段階では、ガザにパレスチナ人テクノクラート(技術官僚)による暫定的な移行統治機構が置かれることになっている。
ウィトコフ特使は、第2段階ではガザの再建と完全な非武装化が進められると説明している。非武装化には、ハマスや、パレスチナのほかの勢力の武装解除が含まれる。
ハマスは2023年10月7日、イスラエル南部への襲撃を主導し、約1200人を殺害、251人を人質として連れ去った。
これを受けてイスラエルはガザ地区での軍事作戦を開始した。ハマス運営のガザ保健省によると、これまでに7万1660人以上が殺されている。
ガザ保健省は、昨年の停戦発効後もイスラエルがガザを空爆し、少なくとも509人のパレスチナ人が殺害されたとしている。 この間に、イスラエル兵4人も殺害された。
イスラエルはかねてから、ガザ保健省が発表している死者数に疑義を呈している。しかし、地元メディアは治安当局高官の話として、ガザでこれまでに7万人以上のパレスチナ人が殺害されたことを軍は認めていると伝えている。
ガザ保健省の統計を、国連や人権団体は信用できるものと位置付けており、国際メディアも広く引用している。
イスラエルはBBCを含む外国報道機関がガザに入り、独自に取材することを認めていない。











