ハリス前米副大統領、バイデン氏の再出馬を「無謀」と批判 近く出版の回顧録で

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アメリカのカマラ・ハリス前副大統領が、近く出版する回顧録「107日」の中で、ジョー・バイデン前大統領の再出馬を「無謀」だったなどと語っていることが、10日に明らかになった。ハリス氏はこれまで、バイデン氏についてこれほど厳しく批判したことはなかった。
回顧録でハリス氏は、2024年の大統領選出馬について、「『ジョーとジル(大統領夫人)の決断だ』と、私たちは皆、まるで催眠術にかかったかのように、その言葉を呪文のように繰り返した」と記述。「それは気高い行動だったのか、それとも無謀だったのか。今振り返れば、無謀だったと思う」と振り返っている。
これらは、10日に米誌アトランティックが掲載した回顧録の抜粋だ。ハリス氏は、バイデン政権下で自身が脇に追いやられたと感じた瞬間や、自分の功績が認められなかったことについても書いている。
BBCはバイデン氏の事務所にコメントを求めている。
バイデン氏の再出馬について
回顧録でハリス氏は、バイデン氏に再出馬を思いとどまらせることにおいて、副大統領という「最悪の立場」にあったとしている。
「彼に出馬しないよう助言すれば、彼は私を極めて利己的な人物だと考えるだろうと分かっていた」とし、「彼はそれを露骨な野心、おそらく有害な不忠と受け取っただろう。たとえ私のメッセージが、『もう一方の男を勝たせてはいけない』という、ただそれだけだったとしても」とつづっている。
アトランティックは、300ワードにおよぶ回顧録の抜粋を掲載した。タイトルの「107日」は、バイデン氏の大統領選撤退を受けて急きょ、大統領候補となり、ドナルド・トランプ氏に敗れるまでの日数を指す。回顧録は今月23日に出版される予定。
バイデン氏は昨年、共和党の大統領候補だったトランプ氏との6月末の討論会で言葉に詰まるなど精彩を欠き、年齢(当時81)や認知機能への懸念が高まる結果となった。翌7月、バイデン氏は大統領選から撤退すると表明した。
投票日まで4カ月を切る中で民主党の後任候補となったハリス氏は、トランプ氏に敗れた。
ハリス氏は、バイデン氏が再出馬を決めたことについて、「個人的な決断を超えるものであるべきだった」としている。
「リスクがあまりにも大きすぎた。個人のエゴや、個人の野心に委ねるべき選択ではなかった」
一方、バイデン氏の衰えを隠そうとする「大きな陰謀」はなかったとし、バイデン氏は「長年の経験と深い信念を持つ賢明な人物であり、大統領の職務を果たす能力があった」と評している。
そして、「しかし81歳のジョーは疲れていた。身体的そして言語的なつまづきが見られるようになった」と書いている。
ホワイトハウスの対応について
回顧録では、当時ハリス氏に向けられた批判に対し、ホワイトハウスが適切に対応しなかったとも書いている。
ハリス氏は副大統領として、中南米諸国のために民間企業から数十億ドル規模の投資を取り付け、移民問題の根本原因への対策を進めたことに言及。
こうした実績にもかかわらず、当時野党だった共和党が「私の役割を『国境問題の大家』と不正確に断定し、不法に国境を越える人が急増する中で、その名称が大統領選の間ずっとつきまとった」とした。
そのうえで、「ホワイトハウスの(広報)チームのメンバーは誰1人、私が本来任されていた任務について効果的に反論して説明したり、私が成し遂げた進展を強調したりするのを助けてくれなかった」と書いている。
ハリス氏はまた、2024年7月にハリケーンが直撃し、壊滅的な被害を受けたテキサス州を訪問した際に、ヒューストン市内のホテルの部屋で、バイデン氏のテレビ演説を見た時のことも振り返っている。
「あれは良い演説だった。大統領職の歴史に触れ、自身の立ち位置を示す内容だった」と評価した一方で、「だが私のスタッフが後で指摘したように、11分間の演説の中で、私に言及したのは約9分が経過してからだった」とした。
バイデン氏とハリス氏は2020年大統領選で、民主党の大統領候補の座を争った。大統領候補となったバイデン氏はハリス氏を副大統領候補に選び、同年11月に共和党のトランプ候補に勝利した。
バイデン氏は2023年、2期目を務めるには高齢過ぎるなどと批判的な声が上がる中、再出馬を表明した。
ハリス氏は回顧録「107日」の出版に合わせて、イギリスやカナダを含む15都市をまわる出版ツアーを予定している。











