ガザの避難民テント密集地帯にイスラエル空爆、少なくとも37人死亡とハマス

破壊された避難民キャンプに立つパレスチナ人(ガザ南部)
画像説明, 目撃者がBBCに語ったところによると、ガザ南部への空爆で、避難民が集まるテント地帯で炎が急速に広がり、子供を含む数十人が死亡した。画像は破壊された避難民キャンプに立つパレスチナ人

パレスチナ・ガザ地区南部で17日、イスラエルによる空爆があり、少なくとも37人が殺害された。イスラム組織ハマスが運営する民間防衛隊が発表した。

複数の目撃者はガザ南部アル・マワシへの空爆について、「強力な」爆発の後にテントが炎に包まれ、子供を含む数十人のパレスチナ人が殺害されたとBBCに語った。「叫び声とパニック」で目が覚めたという男性は、「炎がテントからテントへと急速に広がっていく」のを見たと話した。

イスラエル軍は空爆について即座にコメントしなかったが、空爆に関する報告を確認しているとした。

国連児童基金(ユニセフ)のキャサリン・ラッセル事務局長は、「その場しのぎのテントに避難していた子供たちが燃えている光景に、私たちは誰もが心底、震え上がるべきだ」と述べた。

ハマスはその後、イスラエルが新たに提示した停戦案を正式に拒否。戦争終結と引き換えに残りの人質全員を解放する取引について、交渉する用意があるとした。

イスラエルは人質10人の解放と引き換えに、戦闘を45日間停止する案を示していた。

ハマスの交渉担当者ハリル・アル・ハイヤ副代表はビデオ声明で、ハマスは「(イスラエル首相のベンヤミン)ネタニヤフの政治的目的のためにするような取引は、受け入れない」と述べた。

イスラエルはハマスの完全な武装解除と破壊を目標に掲げている。

テントと避難民を「焼き尽くした」

民間防衛隊のマフムード・バサル報道官は17日の空爆について、ミサイル2発がガザ南部ハンユニスに近い地中海沿岸のアル・マワシにある避難民のテント地帯を直撃し、少なくとも16人が殺害されたと述べた。16人は「ほとんどが女性や子供」だという。報道官によると、さらに23人が負傷した。

BBCが検証した動画には、焼け焦げた避難民キャンプの残骸や、地面に散乱した避難民の所持品、被害状況を確認する生存者の姿が映っていた。

生存者は野営地で「強力な」爆発が起きた後、「悲鳴とパニックの音」で目が覚めたと語った。

一人の男性は、「慌てて外に出ると、隣のテントが炎に包まれていた」と、BBCアラビア語放送の番組「ガザ・ライフライン」に語った。

「女性たちは外に飛び出して、必死に炎から逃れようとしていた」

「多くの殉教者が炎の中に消えていった。自分たちは無力で、彼らを救えなかった。炎がテントからテントへと急速に燃え広がる中、何もできずに、彼らが目の前で死んでいくのを見て、胸が張り裂けそうだった」

「多数の」子供が死亡したと、この男性は述べた。

ハンユニスから避難していたという女性によると、この空爆でひとつの家族の10人が就寝中に殺害され、5人が負傷したという。

別の男性は、爆発音が聞こえたため、ほかの人たちと現場に駆けつけた。テントに砂をかけて炎を消そうとしたという。

「だけど、うまくいかなかった」とこの男性は述べた。「あまりにも火が激しくて、テントと、その中にいた人たちを焼き尽くした。私たちは無力で何もできず、彼らを救えなかった」。

国境なき医師団(MSF)のガザ緊急対応コーディネーター、アマンド・バゼロール氏によると、空爆はMSFの事務所近くで起きた。MSFは複数の犠牲者を受け入れたという。

「ガザ南部にある私たちの事務所のすぐ近くで起きた。テントが狙われて炎上した。我々は患者を受け入れたが、ほとんどは死亡していた。重体の患者も複数いる」と、バゼロール氏はBBCに語った。

ハマス運営の民間防衛隊によると、イスラエルの空爆はその後も続き、北部ベイトラヒアで7人、北部ジャバリアで10人、アル・マワシ近郊で2人が死亡した。

イスラエル、「テロ標的」を攻撃と

イスラエル軍は17日に声明で、過去2日間の攻撃で「テロ拠点や軍事施設、インフラ施設」を含む「100以上のテロ標的を攻撃した」と述べた。

また、今週初めのハンユニスへの攻撃で、ハマスの武器密輸ネットワークのトップ、ヤヒヤ・ファティ・アブド・アルカデル・アブ・シャール氏を殺害したとした。民間人への被害を軽減する措置を取ったと、イスラエル軍は説明している。

イスラエルは3月1日にガザを完全封鎖し、同月18日にガザへの攻撃を再開した。それ以降、ガザで1691人が死亡したと、ハマス運営のガザ保健省は発表している。イスラエルによる新たな避難命令を受け、パレスチナ人約50万人が避難を余儀なくされている。イスラエルはガザ全体の30%を「作戦上の安全地域」に指定している。

国際NGOオックスファムやセーブ・ザ・チルドレンなど、12の主要援助団体の代表は17日、ガザの人道援助システムが「完全な崩壊に直面している」と述べた。

12団体は声明で、「我々の世代における、人道活動上の最悪の失敗の一つ」だとした。

イスラエルはハマスに人質を解放するよう圧力をかけ、ガザの封鎖を継続すると表明している。1月半ばから3月半ばまでの停戦中に約2万5000台のトラックが支援物資をガザに運び入れており、物資不足はないと、イスラエルは主張している。

イスラエル軍は、2023年10月7日のハマスによる越境攻撃を受けて、ハマス壊滅作戦を始めた。ハマスによる攻撃では、イスラエルの約1200人が殺害され、251人が人質に取られた。

ハマス運営のガザ保健省は、イスラエルが作戦を開始して以降、ガザで少なくとも5万1065人が殺されたとしている。