米厚生長官にケネディ氏が就任 上院の承認投票では与党重鎮が反対

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アメリカの厚生長官にロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が13日、就任した。ドナルド・トランプ大統領による閣僚指名の中で、大きな物議を醸した一人。
ケネディ氏は今後、約8万人の職員と1兆ドルの予算を持つ保健機関の指揮を執る。疾病対策センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)、国立衛生研究所(NIH)、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)などが含まれる。
また、食品の安全、医薬品、公衆衛生、予防接種などの健康産業も管轄する。
ケネディ氏については、根拠のない健康に関する主張やワクチン懐疑論を公言してきたことや、人工妊娠中絶に対する立場などから、与野党両方の議員らが、厚生長官への指名を問題視していた。
だが、上院はこの日、賛成52、反対48で人事案を承認した。野党・民主党は誰も賛成せず、与党・共和党からも重鎮びミッチ・マコネル前院内総務が反対に回った。
ケネディ氏は大統領執務室で、トランプ氏を前に就任宣誓をした。政府のほぼ全機関で改革を進めようとしているトランプ氏にとって、新たな勝利となった。
上院は他の人事案についても審議を急いでいる。この日は、農務長官にブルック・ロリンズ氏が就く案も賛成72、反対28で承認した。
物議を醸した閣僚指名の承認は、ケネディ氏が今週2人目。12日には、タルシ・ギャバード氏が上院で僅差で国家情報長官に認められた。
「反ワクチン」との批判も
ケネディ氏は反ワクチン団体「チルドレンズ・ヘルス・ディフェンス」の創設者。同団体は、小児予防接種の安全性と有効性に疑問を投げかけ、予防接種が自閉症に関係しているとの信用性のない主張をしたことで注目された。
ケネディ氏は、自分自身の子どもたちは予防接種を受けているとし、自分は反ワクチン派ではないと主張。承認のための公聴会では、接種に関して厳格な研究と安全性テストを求めることを支持しているだけだと説明した。
共和党議員の一部はケネディ氏を、食品添加物の使用を批判し、大手製薬会社の規制に前向きだとして称賛している。
中絶に関しては、ケネディ氏はかつて、その権利を支持する考えを示していた。だが公聴会では、各州がアクセスを管理すべきで、「すべての中絶は悲劇だ」という、トランプ氏の意見に同意すると表明。民主党議員らから、長官指名を確実にするために自らの信念を「売り渡した」と非難された。
いとこが承認反対を呼びかけ
ケネディ氏は、ジョン・F・ケネディ元大統領のおい。昨年の大統領選に無所属で立候補したが、途中で離脱しトランプ氏支持に回った。
公聴会に先立ち、ケネディ氏のいとこのキャロライン・ケネディ元駐日大使は、厚生長官への指名を承認しないよう上院議員らに求めていた。ケネディ氏のワクチンに対する見解は、保健政策立案者として認められないものだと訴えていた。
承認をめぐっては、上院保健委員会の委員長を務める共和党のビル・キャシディ議員(ルイジアナ州)の投票が注目された。医師でもあるキャシディ氏はこれまで、ケネディ氏のワクチンに対する姿勢に難色を示していた。
キャシディ氏は結局、ケネディ氏の承認に賛成。投票後、「アメリカを再び健康にする必要がある。ケネディ長官がこれを成し遂げてくれることを期待している」とにXに投稿した。
ケネディ氏に批判的で、ポリオに感染したことがある共和党のマコネル氏の動向も関心を集めた。同氏は、ポリオの予防接種を損なうようなことがあってはならないと、ケネディ氏に警告していた。
マコネル氏は、「危険な陰謀論に関わり、公衆衛生機関の信頼を損なってきたケネディ氏の過去は、こうした重要な取り組みを率いる資格が同氏にないことを示している」として、承認に反対した。








