「BBCが選ぶ100人の女性」に元自衛官の五ノ井里奈さん

今年のBBC「100 Women(100人の女性)」に、五ノ井里奈さん(23)が選ばれた。BBCは毎年、社会に大きな影響を与え、人々の心を動かした女性100人を世界各地から選んでいる。
宮城県東松島市出身の五ノ井さんは、11歳だった2011年、東日本大震災で被災した。避難所で自衛隊の支援を受け、自らも自衛官となって人々のために活動することを夢見た。
念願かなって陸上自衛隊に入隊したが、「毎日のように」セクハラを経験し、幼い頃の夢は打ち砕かれた。
五ノ井さんは2022年に自衛隊を辞め、セクハラ被害に対する説明責任を果たすよう求める活動を公の場で行った。性暴力の被害者には、恥ずかしさから沈黙する人も多い。日本の男性優位の社会では、声を上げた人は激しい反発に直面するため、困難な活動だった。
五ノ井さんの訴えをきっかけに、自衛隊は内部調査を実施。100件を超えるハラスメントの訴えが寄せられた。その後、防衛省は五ノ井さんに謝罪した。
BBCのシャイマ・ハリル東京特派員が今年6月に行った取材で五ノ井さんは、被害のフラッシュバックがあることや、体験を打ち明けた時の逆風について語った。
一方で、「私は人を笑わせることが大好きなんです。なので、こういう被害に遭っても闘い続けながら人を笑わせたり、誰かに勇気じゃないですけど、いろんなものを感じてほしいと思ったりしています。自分らしく生きていきたいと思っています」と話した。
今年初め、五ノ井さんは加害者5人と国を相手に民事訴訟を起こした。5人には精神的苦痛を引き起こしたとして計550万円、国には虐待を防がなかったとして200万円の賠償を求めている。
また、3月には福島地検が、陸上自衛隊の元自衛官3人を五ノ井さんの事件に関連した強制わいせつの罪で在宅起訴した。検察側は懲役2年を求めているが、被告側は起訴内容を否認し、無罪を主張している。判決は12月12日に言い渡される予定だ。
五ノ井さんはソーシャルメディアで、「英BBCインスピレーションと影響力のある女性100人に選ばれました。いつか声をあげなくてもいい社会になってほしいです」と語った。
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今年のBBC「100 Women」にはこのほか、女子教育に力を入れているミシェル・オバマ元米大統領夫人、世界各地で人道に対する罪や性暴力被害者支援を行っているアマル・クルーニー弁護士、パレスチナ初の女性外科医で、ガザ地区のアル・シファ病院で働くサラ・アル=サッカ医師などが選ばれた。
また、自然災害が多かったことを反映し、地域社会で気候変動への取り組みを支援している女性たちも選出された。











