中国が「多数の」脱北者を強制送還、韓国政府が遺憾を表明

Chinese city of Dandong, at the border with North Korea

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画像説明, 北朝鮮との国境に近い中国・丹東市の様子

韓国は13日、中国が北朝鮮からの亡命者を「多数」、強制送還したと発表した。

人権団体らはこれに先駆け、少なくとも600人の北朝鮮国民が中国から送還されたと報告していた。

韓国政府は、この報告が真実だという可能性があると述べたものの、送還された人数については明らかにしなかった。

人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)」は、脱北者の多くは女性で、送還後に投獄されたり、性暴力を受けたり、殺される可能性があると指摘した。

中国の情報筋は、9日夜に数百人がトラックに乗せられ、収容施設から北朝鮮に送られたと報じている。

韓国統一省の具炳杉(クビョンサム)報道官は、「韓国政府は、いかなる状況においても、在外北朝鮮人を本人の意思に反して強制送還してはならないという立場を取っている。意思に反する強制送還は、国際規範のノン・ルフールマン原則に反する」と述べた。

ノン・ルフールマン原則では、迫害される可能性のある難民や亡命希望者を追放・送還することを禁じている。

具報道官は、韓国は中国に抗議し、あらためて立場を表明したと述べた。一方、それ以上の詳細は明かさなかった。

国連のエリザベス・サルモン北朝鮮人権状況特別報告者によると、中国には違法入国した約2000人の脱北者が拘束されているという。

中国は脱北者を難民と認定せず、「経済移民」だとしている。外国政府や人権団体はこの立場を再考するよう促しているが、中国は脱北者を送還する政策を敷いている。

中国外交部の汪文斌報道官は12日、強制送還の報告について尋ねられると、「中国にはいわゆる『脱北者』というものは存在しない」と述べた。ロイター通信によると、汪氏は、経済的な理由で中国に不法入国した北朝鮮人に対して、政府は「責任ある態度」をとっていると述べた。

HRWは、北朝鮮が8月に国境を解放して以降、脱北者の強制送還への懸念が高まっているとしている。2021年7月以来、170人近くが強制送還されたことが確認されている。

また、今回強制送還された人々が、強制労働キャンプに収容される「深刻な危険性」があると指摘。さらに、拷問や強制失踪、処刑の可能性もあると述べている。

人権団体は、各国政府に「今回の中国の強制送還を非難し、将来的な強制送還を止めるよう呼びかけてほしい」と訴えている。

中国政府対しても、脱北者を難民認定するか、韓国など他国への安全な道筋を与えてほしいと要求している。