EU、「X」の偽情報対策について調査開始 イスラエルとハマスの戦闘めぐり

画像提供, Reuters
欧州連合(EU)は12日、米富豪イーロン・マスク氏が所有するソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)について、パレスチナ自治区ガザ地区の武装勢力ハマスがイスラエルを攻撃した後、テロリスト関連や暴力的なコンテンツ、ヘイトスピーチを拡散した可能性があるとして、調査を開始した。
EUの新たなデジタル・サービス法(DSA)の下で行われる初の調査となる本件では、苦情がどのように取り扱われたのかも対象となる。
Xは、ハマス関連のアカウント数百件をすでに削除したと述べている。
EUは他にもTikTokや、インスタグラムやフェイスブック、スレッズなどを運営するメタに対しても、偽情報に対する措置が不十分だと警告している。
ソーシャルメディアでは、加工された画像や誤った説明のついた映像など、イスラエルとハマスの紛争にまつわる偽情報が急激に増えている。
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ティエリー・ブルトン欧州委員(域内市場担当)は12日、XがDSAを順守しているかを見極めるための「正式な情報提供要請」を送ったことを明らかにした。DSAは、巨大プラットフォームでのユーザー保護を目的としている。
Xのリンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)は、10日にブルトン氏から書簡を受け取った後、ハマス関連のカウント数百件を削除するとともに、7日の攻撃以降に投稿された数万件のコンテンツについて、削除あるいは警告文の添付の措置を行ったと述べた。
ハマスはEUでテロ組織に認定され、活動が禁止されている。
これまでにイスラエルから少なくとも150人がガザ地区に人質として拉致されたほか、先週末の攻撃で約1200人が殺された。
ハマスのこの攻撃を受けてイスラエルは連日、ガザ地区に報復の空爆を行っており、1500人以上が殺されている。
国連の世界食糧計画(WFP)は、ガザの状況は「悲惨」だと報告。イスラエルの包囲により、食料や水が不足していると述べた。イスラエルは、人質が解放されるまで包囲を解除しないとしている。
ブルトン氏はマスク氏宛ての書簡で、警告にもかかわらず、「暴力的なテロリストのコンテンツ」がXから削除されていないと述べた。
ブルトン氏は、書簡で言及した偽情報の詳細については明かさなかったが、「偽の、操作された画像や事実」の例がソーシャルメディア上で広く通報されていると述べた。
マスク氏は返答として、「私たちの方針は、すべてをオープンにし、透明性を確保することで、EUもこのアプローチを支持している」と、Xに投稿。
「あなた(ブルトン氏)が言及した、違反行為をX上にリストアップしてください。そうすれば一般の人々がそれを確認できる」と述べた。
DSAは昨年11月に施行されたが、企業側には同法にシステムを順応させるための時間的猶予が与えられていた。
欧州委員会は今年4月、DSAに基づき、最も厳しい規則の対象となる大手オンライン・プラットフォーム(EUでの4500万人以上のユーザーを抱えるプラットフォーム)の名前を公表した。
大手企業は自社が引き起こす可能性のある潜在的リスクを評価し、その評価を報告し、問題に対処するための対策を講じる必要がある。
DSAに違反した場合、企業の世界全体の売上高の6%相当の罰金が科されるか、サービスを停止される可能性がある。
マスク氏は2022年にツイッター社を買収して間もなく、同社の「信頼・安全協議会」を解散した。2016年に結成された同協議会には、自傷行為や児童虐待、ヘイトスピーチといった問題について助言する約100の独立したグループが含まれていた。






