「X」での偽情報対策を要請、イスラエルとハマスの戦闘めぐり EUがマスク氏に

Elon Musk at the Viva Technology conference in Paris in June

画像提供, Reuters

画像説明, イーロン・マスク氏

欧州連合(EU)のティエリー・ブルトン欧州委員(域内市場担当)は10日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘をめぐり、ソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)で「偽情報」が拡散されていると警告。Xを所有する米資産家イーロン・マスク氏に対策を講じるよう要請した。

EUでは、テクノロジー大手は昨年施行したデジタル・サービス法(DSA)を順守しなくてはならない。同法はプラットフォーム企業に対し、違法コンテンツの削除や偽情報の拡散防止対策を義務付けている。

ブルトン欧州委員は、こうした義務にもかかわらず、「暴力的でテロリスト的なコンテンツ」がXで削除されていないと指摘した。

一方、マスク氏は、新たに作成されたハマス関連のアカウントを削除するなどの対応を取っていると述べた。

また、EUに対し、法律違反の疑いがある行為をリストアップするよう求めた。

ブルトン氏はマスク氏に宛てた書簡の中で、偽情報の詳細は明らかにしていない。

しかし、「偽の、操作された画像や事実」がXで広まっていると指摘。

「私のチームに危機対策を報告するよう求める」とした。

ブルトン氏はこの書簡を、ソーシャルメディア上で公開した。

「すべてをオープンにし、透明性を確保する」

マスク氏はブルトン氏への回答をXに投稿。「我々の方針は、すべてをオープンにし、透明性を確保することだ。EUが支持しているアプローチであることを、私は承知している」とした。

「あなた(ブルトン氏)が言及した、違反行為をX上にリストアップしてください。そうすれば一般の人々がそれを確認できる」

ブルトン氏は、マスク氏は「自分のユーザーおよび当局からの、フェイクコンテンツや暴力賛美に関する報告をよく認識している」はずだとし、「約束を実行する」かどうかはマスク氏次第だと付け加えた。

プラットフォーム企業に対策義務付け

DSAは昨年11月に施行されたが、企業側には同法にシステムを順応させるための時間的猶予が与えられていた。

欧州委員会はDSAに基づき、最も厳しい規則の対象となる大手オンライン・プラットフォーム(EUでの4500万人以上のユーザーを抱えるプラットフォーム)の名前を公表した。

大手企業は自社が引き起こす可能性のある潜在的リスクを評価し、その評価を報告し、問題に対処するための対策を講じる必要がある。

DSAに違反した場合、企業の世界全体の売上高の6%相当の罰金が科されるか、サービスを停止される可能性がある。

マスク氏は2022年にツイッター社を買収して間もなく、同社の「信頼・安全協議会」を解散した。2016年に結成された同協議会には、自傷行為や児童虐待、ヘイトスピーチといった問題について助言する約100の独立したグループが含まれていた。