全身覆う「アバヤ」で数百人が登校、新年度から公立校で禁止されるも フランス

Students are pictured in their classroom at the La Reussite Muslim school on September 19, 2013 in Aubervilliers

画像提供, AFP

フランスのガブリエル・アタル教育相は5日、全国の公立校で計300人近くの生徒が「アバヤ」を着て登校したと発表した。

アバヤは、一部のムスリム(イスラム教徒)女性が着る、ゆるやかに全身を覆う衣服。アタル教育相は8月に、新年度が始まる9月4日から公立校でのアバヤの着用を禁止すると発表していた。

公式発表によると。298人の女子生徒がアバヤを着て登校した。大半が15歳以上だった。

教育省の禁止令に基づき、これらの女子生徒たちは個別に学校スタッフとの対話期間が設けられた。

ほとんどの女子生徒は、他の衣服に着替えることに同意し、授業に参加した。

一方、67人が着替えを拒否し、家に戻された。

これらの生徒については今後、学校と家族との間で対話期間が設けられる。対話が決裂した場合、生徒は学校から排除されるという。

新年度を迎えた生徒は1200万人。政府は、この数字とアバヤを着用した女子生徒の数を比べれば、禁止令は広く受け入れられたと言えるとしている。

しかし5日には、一部のムスリム団体が、禁止令に反対して訴訟を起こした。

世俗主義と政治的対立

フランスでは、世俗主義に反するとして、公立校や政府機関の建物で宗教的象徴をまとうことが厳しく禁じられている。

頭髪を覆うスカーフは、2004年から公立校での着用が認められていない。

学校でのアバヤ着用をめぐっては、数カ月にわたって議論が続いてきた。

学校でアバヤを着る生徒が増える中、政治的な対立が起きている。右派政党が禁止を求める一方で、左派政党はムスリム女性や少女の権利の侵害を懸念している。

フランス政府は2010年、公共の場での顔を覆うヴェールの着用を禁止。500万人超のムスリム・コミュニティーから怒りを買った。

同国では19世紀以来、キリスト教カトリック教会の影響を公的教育から排除するため、大きな十字架などのキリスト教のシンボルを含め、学校での宗教的象徴の使用を厳しく禁止してきた。

また、人口分布の変化を反映し、長年にわたって法律を更新してきた。現在では禁止事項にイスラム教のスカーフやユダヤ教のキッパも含まれるが、アバヤが全面的に禁止されたことはない。